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第二章・3

「辛い目に、遭って来たのだな」  哲哉の胸の中で眠ってしまった玲衣は、あどけない表情をしている。  これだけ見ると、普通の少年なのだが。  だが、普通と言ってしまうには美しすぎた。  悲しい過去が、その美しさを掘り起こしてきたかのようだ。  それでも、美しい体の内には涙の海が広がっているに違いない。  哲哉は、玲衣を起こさないように、パジャマを着せると、そっと抱き上げた。  そのまま部屋を出て、彼の部屋へその軽い身を運んだ。  玲衣の部屋には、池崎が控えていた。 「哲哉さま」 「彼を、寝室へ」 「夜伽は、終わられたのですか?」 「今夜は、中止だ」  ドアを開ける池崎をよけ、哲哉は寝室へ入った。  ベッドに大切に玲衣を横たえ、掛布をその体に被せてやった。 「おやすみ、玲衣」  

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