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第四章・2
「やっぱり少し、疲れたのかな。体が重い」
バスルームから出て髪を乾かしながら、玲衣はそんなことを考えた。
体がだるくて、何だか熱くて。
そして、哲哉のことを考えてしまう。
部屋着のまま寝室へと入り、その身をベッドに投げ出した。
転がって仰向けになり、天井を見る。
もうすっかり馴染んだ、白くて広い天井。
瞼を閉じると、やはり思うのは哲哉のこと。
「僕。僕……」
哲哉を思いながら、玲衣はその手をルームパンツの内側にそろりと忍ばせた。
手に触れたのは、脈打つ体の中心だ。
静かに撫でると、それはゆるりと勃ち上がり始めた。
「哲哉さま」
目を閉じてそうしていると、まるで彼が触れてくれているかのようだ。
自慰は、父が連れて来た客に命じられて、やらされたことがある。
あの時は、嫌でたまらなかったが、今はただ本能がそれを欲している。
「……っは、あぁ。哲哉、さ、ま……」
がくがくと、体が震えた。
震えて、もうすぐで達してしまう、というところで。
「いけない。シーツ汚しちゃう!」
急に現実に引き戻され、火照った体は絶頂を迎えることができなかった。
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