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第四章・3

 お茶の時間ですよ、と玲衣を呼びに部屋へ来た池崎は、彼の異変にすぐ気づいた。 「玲衣くん、どうかした? 体調、どう?」 「え、あの。少し、熱いです」 「熱があるのかなぁ」  さりげなく彼に近づき、確かめる。  そこから発せられるのは、確かにオメガのフェロモンだった。 (体ができたから、性成熟も促されたのか)  体温計で熱を測ってみると、37℃と少し。 「微熱ですね。だから、体が重いのかな」 「うん。微熱は微熱だけど……」  池崎は、玲衣専用のメディカルキャビネットから、発情抑制剤を取り出した。 「これを。すぐに飲んで」 「え!? まさか、僕」 「発情期を迎えたらしい」  池崎は、にっこり笑って手を振った。 「深刻に考えなくて、いいから。君の年齢だと、遅いくらいだ」 (だから僕、さっきエッチな気分になっちゃったんだ)  薬を飲み、椅子に掛けて、玲衣は脚をぶらぶらさせた。

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