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第五章・3
哲哉が体の奥へ挿入るたびに、玲衣の体液はくちゅぷちゅと音を立てた。
その音すら、甘美だ。
(僕。僕、こんなに、感じ、て……ッ!)
恥ずかしい。
恥ずかしいけれど、気持ちよくって、そして。
「哲哉、さん……ッ。僕、今、幸せ、ですぅッ!」
玲衣のしなやかな体を貫き、揺さぶりながら、哲哉はうなずいた。
額の汗がひとしずく、彼の体に落ちる。
「情事の最中に、幸せと言った子は初めてだ」
その言葉が、私を熱くする。
もう止められないほど、昂らせる。
(私も幸せなんだ、多分)
そして、玲衣の体内に勢いよく精を放った。
「あぁ、あ! っく、うぅ、うぅうッ!」
僕の中に。
哲哉さまが。
哲哉さまの命が、僕の中に……!
それは、初めての悦びだった。
心無い大人たちに、さんざん慰みものにされてきた体。
今ここに、哲哉が満たされたことで、浄化されていくような気持ちがした。
「満足できたか?」
「はぁ、ふぅ。あ、はぁ。はぅ、うぅ、うぅう……」
自分の下で、荒い息を吐く華奢な体に、哲哉はそっと身を寄せた。
満足したのは、私の方だな。
哲哉もまた、新たな悦びを得ていたのだ。
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