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第七章・7

「さあ、本屋だ。好きな本を、好きなだけ買ってやる。選べ」 「ありがとうございます!」  玲衣の年齢だ。  マンガでも物色しに行くかと哲哉は考えていたが、彼はすぐに画集のコーナーへ向かった。  美しい写真や、博物。絵画の揃った、重厚なハードカバーの本。  玲衣は、目を輝かせてそれらを大切にめくっている。 「君は、美術に興味が?」 「はい。哲哉さまに、影響を受けました」 「それは光栄なことだ」 「お屋敷の図書室でも、画集をよく眺めます」  そして、時間をかけて玲衣は選りすぐりの一冊を手にした。 「もしよろしければ、これを買ってください」 「一冊でいいのか? いくらでも買えるぞ」 「結構なお値段ですし、重いので」 「そうか。解った」  玲衣がそう言うのなら。  哲哉は、彼から本を受け取った。

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