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第九章・7

 玲衣は、哲哉の手に自分の指を絡めて、思いきり体を反らせていた。 「あぁ! だ、ダメ。また、イッ……、ちゃうぅ!」 「今夜の玲衣は、元気だな」  普段はつつましい玲衣が、情事の最中には奔放に啼き喘ぐ。  そのギャップに、哲哉はいつものぼせていた。 「出すぞ。一緒にイこう」 「哲哉、さまぁあ!」  今夜の玲衣は、安全日。  中に出しても、妊娠の心配はない。  哲哉は腰を震わせると、熱い精を玲衣に与えた。 「あ! ふぅ、うぅ! あ、はぁあ、あぁんん!」  勢いよく、玲衣も達した。  抱き合い、熱を、震えを、情欲を分かち合う。  二人が一番燃え、そして安息を感じる時だった。 「うぅ、はぁ、はぁ。あぁ、あ、はぅ……」 「玲衣、良かったぞ」 「んぁ……、はい……」 「無理に返事はしなくていいと、言ったのに」  肌をさすり、髪を撫でる。  しばらくそうしていると、やがて玲衣は寝入ってしまう。 「いつもパターン、だな」  微笑み、哲哉は後始末を始めた。  

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