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第十一章・7
「玲衣。君にも、大切な話がある」
「はい」
部屋に二人きりになった哲哉は、玲衣を正面から見た。
どきどきと、心臓の鼓動を速めながら、言った。
「私は、玲衣が好きだ。君と出会い、生まれて初めて恋を知った」
返事をしようとする玲衣をとどめて、哲哉は続けた。
「だが、恋は次のステージに移ったようだ」
「次のステージ、ですか?」
「愛している、君を。誰よりも深く、愛している」
声もなく息を飲む玲衣の手を、哲哉はそっと握った。
「あの男が何かまた画策してきても、私が君を守る。生涯かけて、守り続ける」
「哲哉さま」
「だから、お願いだ。君は、私の心を守ってくれないか?」
玲衣は、返事をすることも忘れて、哲哉のまなざしを受け止めていた。
その次の言葉を、待った。
「結婚して欲しい、私と」
「……」
玲衣の瞳が、潤んだ。
喜びの涙が、浮かんできた。
「哲哉さま。僕、僕……」
必死で耳をそばだてて、玲衣の声を拾う哲哉だ。
「……はい。結婚してください、僕と」
「ありがとう、玲衣」
「哲哉さま」
二人で、そっと抱き合った。
互いを、一心に求め合った。
尊い約束を、誓い合った。
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