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第十二章・8

「では、暇を持て余す池崎に、仕事をやってもらおう」 「べ、別に、暇なわけでは!」 「良い子を授かる御利益のある神社を、調べてもらいたい」  哲哉の言葉に、池崎は目を見開いた。  そして、玲衣を見た。 「すると。お二人は!」 「僕、赤ちゃんを産みたいと思ってます。哲哉さんとの間に」  池崎は、両腕を天に突きあげた。 「お任せください! ああ、忙しくなってきた!」  走り去る池崎の背中に、哲哉と玲衣は笑顔を見せた。 「哲哉さん。僕、幸せです」 「私もだよ、玲衣」  そして、これからもっと、幸せを作っていこう。  もっと、喜びを育んでいこう。 「玲衣、愛してるよ」 「僕も、哲哉さんを愛してます」  明るい光の射す中、二人は口づけた。  未来へ向かうための、キスだった。

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