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第4話 元カレ︰那月side

一緒に暮らしていた高校のときからの恋人の良介。元々遊び人だし、浮気することも多いし、喧嘩っ早くてすぐに手が出る。一般的には良い恋人ではないのはわかっていた。 オレが大学受験の日が近づくに連れ、連絡も減った。息抜きに連絡しても返ってくるのは夜中だったりで、受験間近だし気遣ってくれてるのかなとか思ったりもしたけど、良介がそんなことを気遣えるわけない。 それでも大学入ってひとり暮らしを始めた良介がたまに地元に帰ってきてはオレと一緒にいるし、それだけで嬉しかった。 「大学、リョウと同じところに受かったよ。」 「やったじゃん。那月、おめでとう。」 「約束通り、一緒に暮らしてくれる?」 「ん。いいよ、オレのところ、おいで。」 そう言われてオレはリョウと一緒に暮らすことになった。 けれどーーー・・・・・・。 大学一年の夏頃から良介があまり家に帰ってこなくなった。 秋。 人気の少ない場所へ良介を呼び出した。 「なあ、何で最近帰ってこないわけ。」 「別に。ダチの所で飲んでるだけ。」 「そんなに毎日行く必要ある?帰ってくることくらいできるよね?」 「うるさい。」 「オレたちって今でもちゃんと恋人だよね?オレのこと、好き、だよね?」 そう言って良介に抱きついた。我ながら重いってのはわかってる。良介がこの質問を嫌うことも。 「マジでうるせえ!」 咄嗟に何だろうけど、オレを引き離して頬を平手で叩かれた。 良介は苛つくと殴る癖がある。 「前々から思ってたんだけど、お前のそーいうとこ、重いし面倒なんだよ。オレ、お前のそーいうところ、嫌い。もう終わりにしようぜ。家も出てって。」 「あの」 突然、オレたちの間に明るい茶髪の背の高い男が割り込んできた。 「理由はわかんねえけど、殴るのはどうかと思いますが?」 それから良介とその男が言い争っていて、カッとなった良介が手を上げそうになったことに気づいた。 オレたちの喧嘩に見ず知らずのやつが巻き込まれると思って二人の間に入ると、良介のかざした手が先程よりも強い力でオレの頬に当たった。 「・・・・・・リョウの言いたいことはわかった。引き留めて悪かった・・・・・・オレ、もうあの家出るから。終わりにしよう。最後までごめん。」 オレは良介を見上げてそれだけ言った。

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