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第7話 二度目のキス
「なんで、雪音はほぼ毎晩いないの?」
2ヶ月前、たまたま何の予定もなくて、家にいたとき、初めてプライベートについて聞かれた。
「何でって・・・・・・毎晩誘われるし。オレも別に嫌じゃないから、適当に遊んで帰ってる。」
「ーーー・・・・・・それって、男?それとも女?」
「どっちも。その日によってオレの気分次第。」
「雪音って、バイってこと?」
「んー、まあ、一応。抱くのはどっちも抱ける。」
オレは那月とこーゆう話すんの珍しいなあとしか考えていなくて、話せば話すほど噂話を本当に知らないんだと少し驚いた。
前にオレが言ったはずなのに忘れてて今更ながらの質問に笑いそうにもなるけど。
「那月は?もうそろそろ吹っ切れただろ。誰かいねえの?」
「ーーー・・・・・・い、ない。」
別に家を出て行けとかではないし、那月の恋愛とか興味ねえし、こんな質問に深い意味なんてないけれど、何かに怯えてるのか?
まあオレには関係ないけれど。
「へえ。」
「雪音はーーー好きな人いないの?」
ソファに座るオレを床に座ってた那月が見上げて言う。
「オレさ、束縛されるのとか感情押し付けられるのとか嫌いなんだよね。そんなの面倒だし。だったら適当な奴らで欲求解消する方がいいし。相手だって、オレがこーゆうヤツだってわかってるし。」
「じゃあーーー・・・・・・、」
何か言いたそうに一瞬口をつぐんだように見えた。
「オレ、お前は抱かねえよ。」
「お前は適当に遊べるヤツじゃないだろ。」
続けてそう言うと、那月はそれ以上何も言わなくなった。
那月を抱かないって言ってから一切この手の話はしてないし、必要以上に干渉もしなくなった。
ーーー・・・・・・それなのに、アイツ。
あんな泣きそうな顔されると、オレの調子が狂うんだよ。初めて会ったときにも泣きそうだったし、那月のそういった顔は何かわかんねえけど・・・・・・。
こう、モヤモヤするというかーーー・・・・・・。
コンコン。
「おい、那月?寝てんの?」
「・・・・・・。」
「寝てんなら、まあいいけど。」
はあ、オレは何してんだ。
自分の行動の意味がわからず部屋に戻ろうと思ったときーーー・・・・・・。
カチャ。
「ーーー・・・・・・起きてる。」
俯いてるし、那月の部屋は暗くて表情はわからないけれど、声が泣きそうに聞こえて。
身体が無意識に動くーーー・・・・・・。
那月の頬から顎へと指でなぞり、顎を持ち上げ顔を上向かせる。その顔は予想通り泣きそうで、気づけばまた那月に口付けていた。
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