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第8話 半年前の夏休み︰那月side

ここで暮らし始めて半年くらいたった夏。 大学生活2度目の夏休み。 朝から夕方までバイトをしたり、学校の図書館で課題をしたりしていたオレは家に帰るのはいつも夕方以降。 それと反対に雪音は昼過ぎまで寝ていて、夕方から出かける。バイトが夕方から夜にかけて入っていて、そのまま誰かと遊んで深夜に帰宅。 バイトが休みのある日、珍しく雪音もバイトが休みで昼前に起きてきた。 「・・・・・・おはよ。」 「おはよう。今日バイトねえの?」 「今日は休み。雪音はバイト?」 「んー、いや、さっき連絡あって今日は休んでいいってさ。」 そう言いながら、腹減ったと冷蔵庫の中を見ている。 「オレ、何か作ろうか?昼ごはん作ろうと思ってたし。」 「マジ?」 「うん。だってオレが家事やるって言い出したし。普段は・・・・・・一人、のようなもんだから。」 「あー、まあ、じゃあ頼んだ。」 テーブルで少しだけ課題をやっていたオレはそれらを片付け始めた。 すぐ後ろにあるソファに雪音が寝転ぶ。 雪音の家だから、いるのは当たり前なんだけど、何故だか落ち着かないーーー・・・・・・。 「なあ、ご飯何作んの?」 立ち上がろうとして話しかけられたから中腰のまま雪音の方を見た。 間近で改めて見るのはたぶんほぼ初めてかもしれない。 明るめの髪で同じ男なのに肌とか綺麗だし、程よく筋肉付いてて、俺より背も高いのに俺より細くて・・・・・・薄めで柔らかそうな唇。初めて会ったとき、キスされた。 「那月?」 雪音をじっと見つめたまま動かないオレの前でひらひらと手を振っている。 「・・・・・・ごめん。えと、今日はレタス入りチャーハンの予定。」 頭の中を過ぎった想いを打ち消すように慌てて立ち上がりキッチンへ向かった。

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