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第11話 何で、またキス?︰那月side

20歳になった夜、初めて酒を飲みながら課題をやっていた。 自分の部屋ではなくてリビングでパソコン開いて課題をやっていたとき、うたた寝していたら遠くの方で鍵の開く音が聞こえた。 寝るなら部屋で寝ろとか言われながらボッーとした頭で思わずソファにいた雪音の上に跨った。 「ーーー・・・・・・また違う匂い。」 この匂いは頻度が高いやつ。オレのよく知っている匂いで男相手。 何でオレじゃダメなんだよ・・・・・・。 「ーーー・・・・・・雪音、何でオレのことは、」 「前に言ってるだろうが。オレはお前を抱くつもりはねえって。」 分かってたけど・・・・・・。 2度目の拒否。誰でもいいなら、オレだっていいだろって思うのに。オレは経験あるし、抱かれたい側だし。 何でダメなのかわからない。 拒否られて泣きそうになって、慌てて自分の部屋へ戻った。 ドアを背に電気もつけずに座り込む。 こんな想いするなら、出ていけばいいだけなのに、それができなくて、毎日誰かの移り香にイライラして良介と付き合ってたときには感じたことのない暗くて重たい何かに心が持って行かれそうになる。 雪音が出て行けって言ってくれたらいつでも出て行くのに。 ご飯をおいしそうに食べる雪音が好き。 ごくごくたまに優しい顔で笑う雪音が好きだ。 この家を出たら、学部の違うオレたちなんて接点すらなくて、たぶん卒業するまで会えないかもしれない。 それが嫌でここを出れずにいる。 「おい、那月?寝てんの?」 コンコンとノックする音が聞こえて外から雪音の呼ぶ声がした。 「寝てんなら、まあいいけど。」 離れて行く気がして咄嗟に部屋を開けた。 「ーーー・・・・・・起きてる。」 あー、こんな顔じゃ少しだけ泣いたのバレるかもしれない。 顔を上げられずにいたら・・・・・・。 頬から顎を暖かい指がそっとなぞる。 そのまま顎を持ち上げられ、訳がわからないまま動けないでいたらーーー・・・・・・。 キスをされた。 2度目のキス。

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