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第47話

土曜の夜だからなのか、殆どが入室中、の文字だ。 「....まさか、この写真一枚で部屋を選べってか?人件費削減だな....」 え、と俊也を見上げると、忌々しそうな険しい顔でタッチパネルを睨んでいた。 ....わざと、なのかな。 多分、そうじゃない、気がする。 人と鉢合わせしたくない人もいるだろうし、敢えて、対面式ではなく、タッチパネルでプライバシーを守る、みたいな感じなのかも....。 「....旅館とかはさ、女将がいて、部屋、案内してくれるじゃん。随分、手抜きだよな、ラブホテル、て名前なわりに」 ....? 思わず、小首を傾げ、今にも舌打ちしそうな俊也の横顔を見上げた。 「とりあえず、この、プールと露天風呂、サウナやら付いてんのがいいんだけど。ボタン、何処よ」 きょろきょろと暫く、タッチパネルの周りを見渡し、はあ、と、俊也が怒り混じりなため息をついた。 「わけわかんねー!この部屋が多分、マシな気すんのに!」 人差し指でその部屋を怒り混じりに押した瞬間、点滅し始め、同時に、 「「え」」 と、声が出た。 先程と同じく、最上階の一室までエレベーター。 着いた先、扉を開き、入室し、 「すげー!螺旋階段がある!」 と、パタパタとスリッパで走り、螺旋階段を登っていく。 だだっ広くて、清潔感のある部屋に、俺も目を見開き、感動すら覚えた。 VIPルームとか泊まった事ないけど、こんな感じなのかな。 「上にも部屋がある!」 「そうなの?」 俺も興味津々。 「なかなか広いよ!ベッドもあるし、テレビもある!なんインチかな、かなりデカい」 ほー!と、俺はふと、壁際にある引き戸を引いてみた。 「凄ーい!」 「どしたー!?」 「プールと露天風呂がある!」 バタバタと俊也が上から降りてきた。 「マジだ。学校のよりかは狭いけど、充分、泳げそうだな。露天風呂も石造りで...天然温泉かな」 「や、流石に違うんじゃないかな」 「そっか」 二人でラブホテルで大はしゃぎし、これまたデカくて、ふかふかなソファに並んで座った。

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