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涼太side
涼太side.
「流星群、綺麗だったなあ...」
生まれて初めて見た流星群を思い起こしながら、ベッドの中で天井を見上げてる。
ダブルのベッドがやたら広く感じる。
不意に、左手を掲げた。
「....綺麗」
小さな貝殻がポイントのブレスレットを見つめる。
ごろん、と寝返りを打った。
「....参ったな、寝つけない」
樹と俊也はどんな夜を過ごしてるだろ。
ラブラブな感じかな。
ふう、とため息をついた。
樹にも俊也、豊にも。申し訳ないことしたな、て後悔はある。樹に未練はないけど。
....なんだか、樹と俊也がちょっと羨ましい、て思ったりもする。
ホント、調子いいな、俺。
「....なんか飲も」
することもなく、寝つけもしないので、部屋を出て、一階への階段を降りていた。
ソファに豊が座っているのが見えた。
心臓が高鳴る。
ついでに、何故か、豊が付けてくれ、プレゼントされた感のブレスレットが巻かれた左手首を掴んでた。
「....豊、起きてたんだ?」
さりげなく、キッチンに備えつけられた冷蔵庫に向かいながら声を掛けた。
「あー、うん。寝つけなくて。流星群、凄かったよな。興奮冷めやらない感じ」
振り向いた笑顔の豊はヘッドフォンをし、音楽を聴いているみたい。
我ながら変だと思う。
既に一線を超えた仲なのに...なんで、こんなに意識しちゃうんだろ。
「豊もなんか飲む?」
「あー、なんかテキトーに。サンキュ」
自分の分と同じ、ミネラルウォーターを二本持ち、一本を豊に渡し、隣に座った。
「....なに聴いてるの?」
豊は微かに笑って、片方のイヤフォンを外すと俺の耳を勝手にイヤフォンで塞ぐ。
カラオケで豊にはキーが高くて歌えない、て言っていた、俺の好きな曲。
....そっか、豊も好きな曲なんだっけ。
一つの筈のイヤフォンでしばらく同じ曲を聴いて過ごした。
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