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第100話

涼太side. 樹にも、俊也にも。 悪いことしたな、て反省も兼ねて、それに、二人のお陰で俺も豊と.... そこまで考えたら、顔が熱くなる。 何故だかわからないけれど、豊はカモミールティーやらラベンダーやらのアロマグッズをプレゼントしてくれたけど。 うつ伏せに寝転がったまま、ベッドの縁にあるカウンターに置いた、アロマオイルを嗅いだ。 「....いい香り」 カモミールティーは俺には少し飲みづらくて、俊也の真似で少量の蜂蜜を入れて飲んでみたら飲みやすくなった。 ....なんで、そんなに安眠効果を狙ってるのかわからないけど.... 「....確かにいつも寝起き、やたら眠いもんなー、やっぱり低血圧、て奴なのかな」 そうして、翌日、俺は支度を始めた。 松永遥斗に会う為に。 いざ、遥斗の部屋へ行ったものの、留守だった。 「....図書室、かな」 中庭を抜け、図書室へ向かった。 室内に入ると、遥斗の背中が見えた。 まだ制服姿で、手足が長く、漆黒の髪。 「あの....」 俺の声に遥斗が振り返る。 その目に硬直した。 凍てつく氷のような、何処か蔑んだ瞳.... 「あ、あの、遥斗くん....」 「遥斗ならまだ教室だけど、何か?」 その言葉に、首席で入学した、兄の和斗だと気がついた。 その瞳に怯んだ。 見覚えのある、見下すかのような眼差し.... ゆっくり、和斗が歩み寄ってきて、俺は少しずつ、退いていく。 しまいには足が絡まるようにして、尻餅をついた。 ....父さんと同じ目だ。 「....大丈夫?」 冷ややかな笑顔で和斗が手を差し伸べたが、その手を無視した。 「遥斗になんの用?」 瞬きも出来ず、和斗の狡猾な笑みを見上げた。 「兄さん」 「遥斗」 そこに遥斗が来、安堵するのも束の間だった。 二人はどちらからとも無く近づいていき、肩を抱き合ってキスを繰り返し始めた。 言葉を失った。 双子で....愛し合ってる、のか....?

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