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ここは人が少なくてほんとにいい。僕は結構神経質みたいで、リビングでテレビが着いているだけでうるさいなって感じちゃうタイプ。 でもここはいつも本当に静かで有難い。 こんないい所があるなんて、早くこっちの図書館に来ればよかったなーなん思ってしまうほどだ。 ファンタジー本をゆっくり読む。3冊のうちある程度最初の部分を読み、どれを借りるかを吟味する。 どれも面白そうで悩む。なぜ悩むのかって、3冊も借りちゃうと成瀬さんに会える日が遠くなってしまうからだ。せめて1…いや、2冊に抑えないといけない。 むむむむ…と悩んでいた時だった。 「今日はファンタジー本を借りるの?」 そう、声をかけられた。 飛び上がって後ろを振り向いたら、成瀬さんがいた。いつもの様に甘いフェイスでにこやかに微笑む彼は、手に1冊本を持ってそこに立っている。 「?!、?!」 こういうとき声が出たら多分ぎゃっとかうわっとか言ってるんだろうな。なんて思いながら慌てていつもの筆談用の紙を探す。 『成瀬さん。ビックリしました』 思わずそう書いてしまうと、成瀬さんはすぐにごめんねと謝ってくれた。大丈夫、という意味を含めて首を振る。 「君に見せたい本があって」 こと、と成瀬さんが本をテーブルに置く。 ―ある日君に恋してしまった僕は そんな題名の本だった。恋愛モノかな?って思って紙に書いて聞くと、そうだよと答えられた。

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