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第5話

聞いていている限りでは、正義感に溢れた警察官が立てこもり強盗犯の確保の為に人質の身代わりとなり、性的暴行を受ける事で今まで気づかなかった自分の性癖に気づく、というお話の様だった。 彼が演じたのは警察官の方で、自分が所持していた手錠で手の自由を奪われ、犯され、どんどんマゾヒスティックになっていく様子をすごい熱量で演じていた。 「はぁ……っ……」 終わった後、彼の口から出た呼吸は先程の余韻が残っているのかどことなく甘いものだった。 「ど…どう……ですか?僕の声……興奮しましたか……?」 まだお話の中にいる様な、低いのに可愛らしく、そして快感に身悶えているような声。 その声が、私に近づいてきているような気がした。

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