7 / 12

第7話

「すみません……ッ、手がとまんなくて……っ……」 演技以上に淫靡な声。 その手の動きが徐々に激しくなっていき、声量も大きくなっていく。 「あぁ……っ、イク……ッ、がまんできな……ああぁあぁ……!!!」 獣のような声を上げて、彼の身体が大きく震えた。 「す……すみません……ちゃんと……ちゃんと綺麗にしますから……ッ……」 息も絶え絶えにとはこういう声を言うのだろう。 そう思わせるような声だったけれど、それには私の心を捉えて離さない何かがあった。 開けてはいけない。 頭で分かっているのに、身体はそれに抗った。

ともだちにシェアしよう!