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第7話
「すみません……ッ、手がとまんなくて……っ……」
演技以上に淫靡な声。
その手の動きが徐々に激しくなっていき、声量も大きくなっていく。
「あぁ……っ、イク……ッ、がまんできな……ああぁあぁ……!!!」
獣のような声を上げて、彼の身体が大きく震えた。
「す……すみません……ちゃんと……ちゃんと綺麗にしますから……ッ……」
息も絶え絶えにとはこういう声を言うのだろう。
そう思わせるような声だったけれど、それには私の心を捉えて離さない何かがあった。
開けてはいけない。
頭で分かっているのに、身体はそれに抗った。
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