3 / 172
第3話
温かく、優しい味のにゅう麺で小腹を満たしながら、小敏 はこんなに美味しいものを作ってくれた恋人を見つめた。
「何?」
端整で、それでいてカワイイ笑顔を浮かべて、熱っぽい瞳で凝視されると、優木 は落ち着かなくなって、訊き返した。
「優木さんは、食べないの?」
「ん~、こんな時間に腹は空かないんだ。歳のせいかな」
小敏はちょっと不満そうな顔をした。
「すぐに歳のせいとか言うけど…。優木さん、まだ40代でしょ?男盛りだよ、もっと頑張れるはずなのに…」
「え?」
優木は、小敏の期待を感じて、やや焦る。
「ボクじゃ…ダメなのかな…。優木さんをその気にさせる魅力が、無い?」
「そ、そんなことない!」
その切れ長の美しい目が、涙で潤んでいるのを見て、優木は慌ててしまう。
優木にとって完璧だと思うルックスを持ち、率直で、大胆で、好色な小敏は、奇跡的に手に入れた宝物だ。そんな、自分にはもったいないとさえ思う極上の恋人のご機嫌を損ねることはしたくない。ましてや、悲しませるようなことはしたくないのだ。
「ホントに?」
小悪魔の本性を現し、切ない上目遣いで見つめる小敏に、もう優木はメロメロになる。
「本当だよ。…俺が、どんなにシャオミンに夢中か伝わらないのは悔しいよ」
「じゃあ、今すぐに伝えてよ」
甘えた態度で小敏が両腕を伸ばすと、応えるように優木は近付き、ギュッと抱き締めた。
「大好きだ、シャオミン。君に、夢中だ」
そう言うと、優木は小敏に深い口づけを与えた。
「愛してるなら…、朝まで抱いてね」
「う…。…うん…」
優木は不承不承、愛しい恋人に手を引かれながら、重い足取りで寝室に向かった。
寝室に入ると、ベッドに行く着く前に小敏は淡いグリーンのバスローブを床に落とした。
その気が満々の小敏に、優木は気が引けるが、覚悟を決めた。
「おいで、シャオミン」
「…優木さん」
ベッドに横たわった小敏の、手足が長く、シルクのように白く滑らかな肌を持ち、過敏で、妖艶で罪深い肉体を、優木はソッと抱きしめた。
「気持ちの良いカラダだ。…最高だよ、シャオミン」
満足そうな優木の言葉に、小敏も嬉しそうに微笑み返す。
「大好き、優木さん。だから、ボクも気持ちよくしてね」
「シャオミン…」
優木は小敏の白く長い首筋に唇を這わせ、胸や腰に手を這わせた。
小敏も長い脚を恋人に絡ませながら、器用に優木のパジャマを脱がせる。
「早く…、早く、来て、優木さん!」
積極的な小敏に、必死に応えようとしていた優木だったが、すぐにそんな努力も必要が無いほど、淫猥な小敏との行為にのめり込んで行った。
ともだちにシェアしよう!