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第30話【R18】
結局、優木 の人柄もあってか、7月3日の羽小敏 の誕生日から土日の休みと有休を利用して、4日間のやすみが取れた。
こうして、優木と小敏は3泊4日の海南島旅行を、やっと手に入れた。
「本当は誕生日の前日からホテルに行きたかったんだよ」
ちょっと拗ねた態度を見せる小敏が、本当は照れ隠しであることを優木は承知している。
「ごめんな。でも、前夜祭はここで、小敏の好きなすき焼きを作るからさ」
「本当?嬉しい~」
優木のくすぐるような優しい思いやりに、小敏の機嫌はあっと言う間に直ってしまう。
「しかも、神戸ビーフだぞ」
「スゴイ!優木さん、大好き」
キッチンに立つ優木に、小敏は遠慮なく背後から抱き付いた。
「お、おい!包丁を持っている時はダメだってば!」
注意はするが、優木の声はひたすら小敏を甘やかせている。
「ゴメンね」
可愛らしくそう言って、小敏は優木の頬にチュっと音を立ててキスをする。
「ん…」
優木も、満足げに笑って、お手製のぬか漬けを切り続けた。
***
「ねえ、優木さんってば、かなり痩せたね?」
ベッドの中でしっかりと抱き合いながら、小敏は驚いたように言った。
「ん~、俺にはジムの運動が合ってたのかなあ」
ポッコリ出ていた中年っぽいお腹もスッキリして、海南島へ持っていく水着を買いに行った時には、私服もかなり買い替えた。それほどに優木は痩せて、今までの服が合わないほどだ。
「でも、腹筋とかは割れてないね~」
そう言って小敏は誘うように、優木のお腹に指を這わせる。
「脂肪は減ったけど、筋肉が付くのはまだまだこれからなのかなあ」
優木も不満そうに言うが、小敏と目が合うとそんなことはすぐにどうでもよくなってしまう。
「腹筋が割れてないと、水着でビーチに行ってもモテないよ」
「別にいいよ。俺にはシャオミンがいるから」
からかう小敏の柔らかな唇を塞いで、優木は笑った。
「ボクも…優木さんがこれ以上カッコよくなったら困る…」
小敏も珍しく真面目な顔をしてそう言うと、優木に深い口づけを求める。そのまま小敏は優木の上になり、優木は小敏の美しい肌を味わうように愛撫を繰り返す。
巧みな小敏の腰遣いで、2人の前は擦り合わされ、官能の高まりを互いに感じることが出来た。
優木もこの先のためにと、小敏の後ろの谷間に指を入れるが、賢い小敏は先ほどシャワーを浴びた時に、きちんと準備を済ませていて、そこには優木の好きなジャスミンの香りがするクリームが塗りこめられていた。
「あ…ん…」
ぬるりと優木の指が小敏の中に潜り込む。それが待ち遠しかった小敏が、ギュッとそれを締め付ける。
「き、来て…、優木さん…」
小敏は、心から愛し、愛してくれる人と1つになれる期待に、まるで無心な子どものように胸を高鳴らせ、幸せを噛み締めた。
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