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第4話

 1ー4 『灰かぶり』  僕の名前は、ルーシェ。  ルーシェ・アナハイム。  だけど、このアナハイム辺境伯の屋敷の人々からは、そうは呼ばれていない。  『灰かぶり』  それが僕の呼び名だった。  僕は、このアナハイムの家にかけられた魔女の呪いのために産まれたときからずっと女として育てられてきた。  僕の母様であるザラ・スミルノフは、アナハイム辺境伯の側室だ。  でも、僕らは、アナハイム家の離れにある使用人の住んでいる建物の一角に住んでいる。  僕は、アナハイム辺境伯にとっては、いてもいなくても同じ者だった。  だって、僕には魔女の呪いがかけられているから。  僕は、きっと30才なるまでに死ぬだろう。  今までのアナハイム家の男子がそうであったように。  これは、異界の魔女の呪いだ。  300年前に現れた異界の魔女ガイエス・クロウは、世界に仇なす存在だった。  彼女は、ロミリアム王国の北にある魔女の森に住み着いていた。  そのためアナハイム辺境伯家に魔女討伐の命がくだった。  強大な力を持つ魔女との戦いは、何百年も続いた。  魔女がアナハイム家の男子に呪いをかけたのは200年ほど前のことだ。  それ以来、アナハイム家に生まれる男子は、早死にするようになった。  呪いから産まれてくる男子を守るためにアナハイム家の人々は、いろいろなことをしてきた。  男子が産まれたらすぐに他家に養子にだすとか。  だけど、どれも効果はなかった。  唯一効果が見られたのは、産まれてきた男子を女の子として育てるということだった。  そのため、僕は、産まれたときから女の子として育てられてきた。  側室の子であり、しかも男子であるために僕は、ほぼいない子として扱われた。  どうせ、そのうち死んでしまうのだ。  僕は、幼い頃から使用人として扱われていた。  だけど、母様は僕がいつかこの家をでるときのために僕に剣術と魔法を教えてくれた。  母様は、かつて王都ステルシアで魔法騎士団に所属していた魔法騎士だった。  僕は、母様の教えを受けて魔法騎士団に入れるぐらいの力を持つようになった。  僕が13才になったとき 母様は、僕にこの家から出ていくようにと言った。  このロミリアム王国では、13才で成人とみなされる。  すべての子供は、13才になると神託を受ける。  そこでスキルを与えられるのだ。  僕が与えられたのは、[創造]のスキルだった。  いわゆるユニークスキルだ。  そして、この神託のときに僕の人生を一変させる出来事があった。  

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