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第28話

 3ー4 肉食獣ですか?  僕は、母様の方へと近づくと訊ねた。  「母様、それは?」  「カーザよ、ルーシェ」  母様が満面の笑顔で答える。  「群れがいたから何びきか生け捕りにしてみたの。あなたが何か、家畜にできるものが欲しいっていっていたから」  マジですか?  僕は、こわごわとその羊のような魔物に近づくとその背に触れてみた。  うん。  なんか、もふもふしててかわいい?  「大人しいし、これならいいかも。毛糸もとれそうだし」  「毛糸?」  母様が訊ねるので僕は、ナイフを取り出してそのカーザのもふもふの毛を一房切り取って見せる。  「この毛で糸を紡ぐんだ。そして、布を織ったり、暖かい服を編んだりするんだよ」  「そりゃ、いいな」  ランクルがじとっとカーザを見つめる。  「この辺は、寒くってかなわんからな」  「この子達を育てて、どんどん群れを増やしていけたらいいんだけど」  僕は、ランクルに訊ねる。  「どこかにこの子達を放牧できるような場所がないかな。後、この子達の小屋にできそうな建物があればいいんだけど」  「ああ」  ランクルがどん、と胸をたたく。  「任せておけ!」  僕は、カーザをランクルに任せるとルドの方へと歩みよった。  「何か、いい獲物がとれた?」  「もちろんだ、ルーシェ」  ルドが僕ににやりと微笑みかけると腰の収納袋から巨大な猪に似た獲物を取り出した。  「マッドボアだ。これで今夜は、久しぶりに肉が食べられるな」  ルドの嬉しげな横顔を見て、僕は、複雑なきもちだった。  ルドは、肉が好きだ。  僕は、爽やかなイケメン風に微笑むルドを見上げて苦笑した。  獣人だからってわけじゃないのかもしれないけど、ルドは、すごく肉が好きだ。  逆に、野菜はまったくというほど食べようとはしない。  野菜が嫌いで肉が好きって。  子供かよ!  ルドは、裏庭で狩ってきた獲物の解体を始めた。  僕は、傍らでルドのことを見守りながらながら話しかける。  「マッドボアもなんとかして家畜化できないものかな。もし家畜化できればいつでも新鮮な肉が食べられるし、他にも乳もとれるかもしれないし」  「マジで?」  ルドは、キラキラと瞳を輝かせる。  やっぱ、肉食獣だな!

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