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第34話

 3ー10 見知らぬもふもふ  うん、なんだかふかふかする。  僕は、ゆっくりと目覚めていった。  あれ?  なんか、すごく。  「暑い!」  ぱちりと目を開いた僕は、金色のモコモコの中にいた。  ええっ?  僕は、何が起こっているのかわからなくって。  とにかくここから出なくては。  僕は、体を起こそうともふもふの中に手をついた。  ぐにゃり。  はいぃっ?  僕は、バランスを崩してもふもふの中へと沈みこんだ。  「な、何?」  軽くパニクっている僕の方へと巨大な虎が顔を近づけてくると、そのざらざらの舌でペロリ、と僕のことを舐めた。  「ひゃあっ!」  虎は僕のことをペロペロと舐め続ける 。  ざらざらの舌で舐められて僕は、痛みと奇妙な心地よさを感じていた。  何が起きているんだろう?  僕は、だるい頭をなんとか働かせようとした。  ここは、どこ?  なんで僕は、こんな状況になってるんだ?  僕は、もふもふの中に身を任せたままで辺りを見回した。  なんか、狭い小屋のようなところに僕とその虎はいた。  小屋は、狭くて古かったけどすごく手入れされていて居心地は悪くない。  ただ、窓がないせいかちょっと薄暗いけど。  辺りは、生活魔法の灯りがともされていてぼんやりと照らし出されていた。  四方の壁には見たことがない紋様の織り込まれた美しいタペストリーがかけられている。  部屋の隅には、蠱惑的な香りの香が焚かれていた。  そして、その中央にはふかふかの黄金色の毛並みのすばらしい虎が寝そべっていて僕は、その中に包み込まれていた。  どういうこと?  僕は、かすかな記憶の糸を手繰り寄せていく。  確か、僕は、昨日、異界の魔女の森に入って。  そこで、ルドと。  僕は、頬に熱が集まってくるのを感じていた。  僕は、昨日、ルドと結ばれたんだ。  ずくん、と下半身に痛みが走る。  わわっ!  僕は、焦ってあわあわとし始める。  僕、どんな顔してルドと会えばいいの?  っていうか、この虎は何?  そして、ここはどこですか?  僕とルドに何があったの?  僕は、自分の体を確認した。  幸いにも服をきていた。  僕は、ほっと吐息をついた。

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