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第41話

 4ー5 伴侶萌え?  「しかし、これだけ竜がいると壮観だな」  グイードが竜を遠くに眺めながらルドに訊ねる。  「せっかくだし、1頭ぐらい狩っておくか?」  「やめておこう」  ルドが素っ気なく答えた。  「ここの竜を狩る気にはなれん。魔王だって、ドラゴンだって平和に暮らせるならそうさせてやるべきだ」  そうなんだ。  僕は、ルドの言葉をきいて意外に思った。  ルドは、勇者として魔王と戦った。  そして、魔王を殺したんだ。  なのに。  もし、魔王が平和に暮らせる世界なら、ルドは、魔王と戦わなかったのかな?  勇者なのに?  僕は、ルドのことをじっと見つめた。  この人は、ほんとは誰とも戦いたくなんてないんじゃないのかな。  ただ、みんなが幸せに暮らせればいい。  それが、ルドの願いなんじゃ。  僕の視線に気づいたルドが僕を見下ろしてにこっと笑った。  男らしい、優しい笑顔だ。  とくん、と僕の心臓が跳ねる。  なんだろう。  僕は、慌てて視線をそらす。  僕は、すごく変だ。  だって、胸の高鳴りがひどくって。  このまま、僕は、心臓が爆発して死んじゃうのかもしれない。  「どうした?ルーシェ」  不意に耳元でルドが囁いたものだから、僕は、びくん、と体をこわばらせた。  「な、なんでもない、よ」  僕は、ドキドキが止まらなくって。  ホントにこのままじゃ、僕、もたないかもしれない。  「顔が赤いぞ、ルーシェ」  ルドが僕の額にその美しい顔を寄せてくるとおでことおでこを引っ付けた。  「ひゃいっ!?」  僕は、ルドのアップに耐えきれず飛び退いてしまった。  「だ、大丈夫、だからっ!」  「でも」  「大丈夫なの!」  僕はぷぃっとそっぽを向くと走り出す。  やばい!  僕は、ドキドキしている胸を押さえる。  ルドが。  ルドが素敵すぎてやばい!  僕は、少しみんなから離れると止まった。  ソーがぴょんと僕の腕に飛び付いてきて抱っこをねだるので抱いてやると僕を笑いを含んだ目で見つめてくる。  「どうした?ルーシェ」  「ソー」  僕は、ソーを抱き締めると顔をソーの背に埋める。  「なんでも、ないってば!」  「ふふん」  ソーがくすぐったげに身を捩った。  「今さらの伴侶萌えか?」  「伴侶萌え?」  僕がきくとソーがからかうように笑う。  「伴侶が好きすぎて身悶えすることだ」  「もだ・・って、僕、別に悶えてなんて」

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