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第42話

 4ー6 野宿ですか?  「なんだ?」  ランクルが僕の背をつついた。  「お前、もしかして欲求不満なのか?ルーシェ」  「誰が欲求不満なんだよ!」  僕は、ランクルに食って掛かった。  ランクルは、意外に素早い動きで僕から身をかわすとにんまりとイヤらしく笑う。  「だって、これからいいところだってとこで巣籠もりできなくなったしな」  「巣籠もりって」  僕は、どかん、と頭が爆発しそうになる。  そうだった!  僕、ルドと子作りのために巣籠もりする筈だったところをダンジョン攻略にきてるんだった。  つまり、このダンジョン攻略がすんだら、僕とルドは。  かぁっと顔に血が集まってくる。  「おいおい、どうしたんだよ、ルーシェ。顔が真っ赤だぞ」  ランクルがにやにや笑った。  「やっぱ、ルドと2人で籠りたいのか?」  「そんなわけが!」  「どうした?2人とも」  ルドに声をかけられて僕は、飛び上がった。  「な、なんでもにゃいよっ!!」  「にゃい?」  ルドが妙な顔をして僕を見つめている。  わわっ!  僕は、余計に頬が暑くなるのを感じた。  「すげぇな、真っ赤っかだぞ、ルーシェ」  「なんでもないってばっ!」  僕は、ランクルを睨み付けた。  ランクルの奴、ニヤニヤしてやがる!  「この辺で野宿にするか?」  グイードがみなに呼び掛ける。  ルドがグイードを振り向いた。  「そうだな」  僕たちは、そこで夜営をすることになった。  僕は、地面をならすとそこで火を焚いて、持ってきていたマッドボアの干し肉を炙ってみんなに配った。  「ほら、ルーシェ。水だ」  ぼいっとルドが水が入った革袋の水筒を投げて寄越すので受けとる。  「しっかり水分もとるんだ。体調が悪くなるぞ」  「う、うん」  僕は、水をごくごくとあおるとぷはぁっと息をついた。  冷たくっておいしい。  「ルルイエが魔法で冷やしてくれたんだよ」  ルドがいつの間にか僕のすぐ横に体を密着させている。  ほえっ!  僕がそっと体を離れようとすると腰に手を回されてぎゅっと抱き寄せられる。  「あっ!あの、ルド、あ、暑いからっ!」  「そうなのか?」  ルドが少し手を緩めたすきに僕は、体を押し離す。  「あの!ありがとう、ルルイエ」  僕は、みんなから少し離れた場所で木にもたれてやすんでいるルルイエに礼をいうと、ルルイエは、小声で返事をする。  「お礼・・お菓子、の」  はい?  僕は、一瞬わけがわからなくってポカンとしてしまった。  あっ!  あの差し入れのことか。  僕は驚いていた。  ルルイエって、意外と律儀だな。  

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