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第46話
4ー10 宝箱ですか?
僕らは、2日目も草原を歩いていった。
僕は、最初、みんなに昨夜のことを知られているんじゃないかと思ってドキドキしていた。
けど、みんないつも通りで気づいていない様子だったからほっと胸を撫で下ろしていた。
僕らは、また竜たちがいる草原を歩き続けたが、その日もどこにもたどり着くことなく日が暮れていくのかと思ったとき、遠くに扉のようなものが見えてきた。
「あれは?」
「あれが異界の魔女の宝箱の入り口じゃ」
ソーがぴょんと僕の肩から飛び降りるとみんなに告げた。
「あれが目的の場所じゃ」
マジですか?
「じゃが」
「いやっほう!」
「宝だ!宝!」
僕とランクルは、ソーの言葉をきかずに走り出した。
「こら!お前たち!」
グイードが叫ぶのが聞こえたけど、僕たちは止まらなかった。
だって、これでルドの借金問題にかたがつくんだ!
僕は、胸の高鳴りを止められなかった。
つまり。
僕とルドは、ついに巣籠もりしちゃうのかな?
走りながら僕の頬は、かぁっと熱をもってくる。
「何、赤くなってるんだよ?ルーシェ」
ランクルがにやにやと下卑た笑いを浮かべてきいてきたので、僕は、ぷぃっと横を向く。
「なんでもないよ!」
「うそつけ!」
ランクルが僕と並んで走りながらにんまりと笑った。
「ルドとの愛の巣籠りのこととか考えてんじゃねぇの?」
「か、考えてなんてないよ!そんなこと!」
ランクルがにやりと笑って僕の背をばん、と叩いた。
「無理すんなよな!」
「ごふっ!」
僕は、息がつまって咳き込んだ。
ランクルは、がははっと高笑いをした。
「お前みたいな初心な童貞が百戦錬磨のルドに手取り足取りされてんだ。もう、太陽が黄色く見えるようになるまでやりまくりたくなってもしかたねぇって!」
はい?
僕は、ランクルに訊ねた。
「百戦錬磨って?」
「ああ?」
ランクルが一瞬、しまった、という顔をする。
「いや、その・・」
「ルドは、そんなにいっぱいの人とつきあってたの?」
僕が問い詰めるランクルが目を泳がせる。
「いや、そう、だったかな?」
「とぼけるなよ!」
僕がいうとランクルがため息をついた。
「はぁ、しかたねぇな」
ランクルは、僕に話し始めた。
「俺たちパーティーは、魔王軍と戦ってたんだ。お前は知らんかもしれねぇが戦ってのは人を高ぶらせるんだ。俺たちは、戦いの度に街の娼館に繰り出していた。ルドは、特に獣人だからな。気を納めるために何人も女や男を抱いていた」
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