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第47話

 4ー11 ルルイエ  「何人も?」  僕は、今更ながらショックを受けていた。  いや。  イケメンでしかも強くって、勇者様なんて肩書きまであったんだ。  よってくる男女は、引きも切らなかっただろう。  でも。  僕は、何か、刺のようなものが胸に刺さっているような気分だった。  ルドがあの指で、あの唇で、あの舌で、僕以外の誰かを愛したなんて。  僕は、目的の宝箱の入り口の手前で足を止めた。  「ルーシェ?」  ランクルが僕を覗き込もうとしたときのことだ。  突然、宝箱の入り口の扉が開いたかと思うとそこからなんか蔦のような触手が何本も伸びてくるのが見えた。  「まずい!ミミックだ!」  はい?  僕は、避けるまもなくその触手に絡めとられて宝箱の入り口へと引きずり込まれる。  「なんだ、これっ!」  僕は、持っていた短剣でその触手に切りつけながらルドの名を呼んだ。  「ルド!」  ルドは、急いで駆けつけてくると背中の剣を抜いて触手を切り刻んでいく。  だけど、僕は、すでに扉の中へと引きずりこまれそうになっていた。  「ルド!」  「ルーシェ!」  ルドが手を差し伸べてくれたのが目に入ったけど、僕には届かない。  扉が閉まるその瞬間に僕を追って1つの影が扉をすり抜けて飛び込んでくるのが見えた。  茶色いフードを着た人影。  ルルイエだ!  「ルーシェ!」  ルルイエが魔法で僕をとらえる触手を吹き飛ばしたとき、扉が閉まる音が聞こえた。  辺りは、暗闇に包まれた。  ルルイエが生活魔法で明かりを灯す。  「大丈夫か?ルーシェ」  「うん。僕は、平気だよ!」  僕はそう答えたけど、地面に座り込んでいる僕を見たルルイエがぽっと頬をそめるのが見えた。  ルルイエは、自分の着ているフードを脱ぐと黙って僕の肩にかけた。  「ほえっ?」  僕は、自分の体を見下ろしてはっと気づいた。  「わわっ!」  僕の着ていた服がどろどろに溶かされてほとんど僕は、裸に近い姿になっていた。  僕は、ルルイエのかけてくれたローブで体を隠す。  うん。  ルルイエのローブは、僕にはちょうどいいサイズだった。  「ありがとう、ルルイエ」  僕は、立ち上がるとルルイエを見つめた。  ルルイエは。  緑の長い編み込んだ髪に、緑の瞳をしたすごい美少女がそこにいた。  美少女?  いや、美少年?  

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