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第48話

 4ー12 解毒剤ですか?  エルフの特徴でもある長い耳をピクピクさせてルルイエは、頬を赤らめて僕を見つめていた。  「ルーシェ、体、大丈夫か?」  「うん」  僕は、頷いた。  「ルルイエのおかげで助かったよ」  僕は、辺りを見回した。  真っ暗でよくわからないけど、ただっぴろい空間のようだった。  「ここは?」  「ここは、ミミックの腹の中だ」  はい?  僕は、ルルイエを振り向いてじっと見つめた。  腹の中ですと?  「安心しろ、ルーシェ。今すぐには食われたりしない」  ルルイエは、ぎこちなく微笑むと僕のことを体を隠すフードに手をかける。  「ふぇっ?」  ルルイエに裸を覗かれて僕は、慌ててローブの裾をかきあわせてルルイエから体を隠した。  「な、何?」  「はやく、体についている触手の毒を取り除かないと、お前もああなる」  ルルイエが指し示した先を見る。  そこには、白骨化した人間のものらしい遺体が転がっている。  マジですか?  「しょ、触手の毒って?」  僕が訊ねるとルルイエは、僕の前に近づいてきてローブに手をかけながら答えた。  「あの触手の液をお前は全身に浴びている。それをはやく解毒しなくては、ミミックの餌にされる」  「マジで!?」  僕は、青ざめてきいた。  「どうやって解毒すればいいんだよ?」  「この解毒剤を全身に塗る」  ルルイエは、自分の腰に下げていた収納袋から小瓶に入った軟膏のようなものを取り出して僕に見せた。  「ただ、この解毒剤には、1つだけ困った副作用がある」  「副作用?」  僕がきくとルルイエが表情も変えることなく呟く。  「ちょっとした状態異常が起こる」  「状態異常?」  「ああ」  ルルイエは、こくりと頷いた。  「まあ、ただの状態異常にすぎん。死ぬよりはましだろ?」  「そ、そうだけど」  僕は、ルルイエの手から軟膏を受けとると恐る恐る全身に塗り込めていく。  ルルイエは、僕の体を隠すフードをめくりあげると僕の背中やら手の届きにくい場所に軟膏を塗ってくれた。  「あっ!」  ルルイエの冷たい手が僕のお尻に触れる。  僕は、慌ててルルイエに向き直った。  「そ、そこは自分で塗るから!」  「でも、よく見えないだろう?」  ルルイエは、表情を動かすこともなく僕に告げた。  「少しでも塗り残しがあれば命取りになる」  「で、でも・・」  僕が躊躇っているとルルイエが僕に命じた。  「はやく。そこによつばいになってお尻を拡げて」    

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