50 / 63
第50話
5ー2 副作用ですか?
僕は、恥ずかしくって前をフードの裾で隠した。
ルルイエは、羞恥のために顔を隠している僕を慰めるように声をかけてくれた。
「それは、仕方ないことだ。気にしなくてもいい」
「んっ・・」
僕は、涙ぐんだままルルイエの方を見た。
ルルイエは、なんでもないことのように話した。
「これが、副作用だ」
はいぃっ?
僕は、一瞬ぽかん、としてルルイエのことを見つめていた。
どういうことですか?
「この薬の副作用は、発情状態になることだからな」
マジか!?
どうりでさっきから体が疼いてしかたがなかったはずだ。
僕は、熱い吐息を漏らした。
「んぅっ・・」
僕は、フードの上から前を押さえて喘ぐ。
「苦しいだろう?ルーシェ。我慢せずに抜いてもいいんだぞ」
ルルイエが僕を促したけど、僕には、そんなことできなかった。
だって、ルルイエが側にいてガン見してるし!
僕は、低く呻いた。
僕の昂りは熱を持ったままで。
僕は、痛いぐらいきざしていて苦しくって喘いだ。
ルルイエは、僕のすぐ横に腰をおろすとじっと僕の様子を観察している。
その視線でさえも今の僕にとっては、快感への刺激になっていた。
これは、へたに触れられるよりもきつい。
「はやく、抜いて楽になれ、ルーシェ」
ルルイエは、優しく僕に囁く。
なんか、ルルイエの緑の瞳がさっきまでとは違う光を秘めているような気がする。
暗い欲望を宿した瞳でルルイエは、僕のことを見つめていた。
僕は、息を喘がせながら体の疼きに堪えていた。
「あ、の・・ここから、出られない、のか?」
僕がルルイエに訊ねると、ルルイエは、答えた。
「すぐには、無理だろうな。ルドもグイードも魔法は使えるがそんなに得意な訳じゃない。恐らくは、数日はかかるだろうな」
「す、数日?」
僕は、ぼうっと霞んでいく頭で考えていた。
数日、か。
ということは。
「まずい!」
僕は、がばっと立ち上がった。
「このままじゃ、ルドが借金奴隷にされちゃうよ!」
「大丈夫、だ」
ルルイエがのんびりと答える。
「僕らがミミックに食われたから本物の宝箱の入り口が見つかっていることだろう。彼らは、そっちで宝を手にいれていることだろう」
そうなの?
ともだちにシェアしよう!