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第56話

 5ー8 帰還  「ちょっと待ったぁ!」  激しい爆発音が辺りに響き渡り僕たちのいる小部屋の天井が崩れ落ちてくる。  僕とルルイエは、頭上に魔法で障壁をはって落下物から身を守った。  上を見上げると。  そこにいたのはルドとグイードとランクルの3人だった。  ルドが猛々しい戦神のごとく僕たちを見下ろして艶然と微笑んだ。  「そういう話は、私を通してもらおうか、ルーシェ!」  はい?  上から飛び降りてきたルドが僕をひょいっと抱き上げる。  「ル、ルド!」  「何が愛していた、だ?愛しているの間違いだろうが!」  「そ、それは」  僕は横抱きにされてわたわたとしているとルドに問答無用で唇を奪われた。  「んぅっ!」  ルドは、僕から唇を離すときにぺろっと僕の唇を舐めた。  「この私から逃げようとするなど許さないぞ、ルーシェ!お前は、もう、未来永劫私だけのもの、だ!」  「ルド」  僕は、複雑な気持ちだった。  もう1つの前世の記憶を思い出して、そのためルドに別れを告げるつもりだったのにこうしてルドに抱き締められて。  僕は、苦しかった。  いったい僕は、どうすればいいわけ?  どうすれば。  「ルド、なんで」  僕は、ルドにしがみついて泣いた。  「なんで、来ちゃうの?なんで」  「ルーシェ、後悔しているのか?」  ルドが僕をぎゅっと抱いてにっと笑った。  「これが私の愛だ」  「うん!」  僕は、泣きながら頷いた。  逃げられない。  僕は、もう、逃げられないんだ。  「ルド、好き。大好き。愛してる!」  僕たちは、お互いを抱き締めあった。  もう、離さない!  僕は、誓っていた。  僕のたった1人の男。  僕らは、ミミックの腹の中から脱出した。  もちろん『異界の魔女』の宝とともに。  僕たちがルドの屋敷に帰ると宰相からの借金取りが来ていて母様がその応対をしてくれていた。  僕らは、その借金取りたちにたっぷりと利子をつけて金を支払うと丁重にお帰りを願った。  「疲れた・・・」  僕たちは、食堂の椅子にぐったりとこしかけると母様のいれてくれたお茶を飲みながら干し肉を齧った。  みんな、服も着替えずにただ椅子に腰かけていた。  僕は、無言で母様のお茶を飲んだ。  お茶は、すごし苦かったけど、あったかい。  「もう、今日は、休もう」  グールドが提案すると、僕たちは、みな頷いた。  

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