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夏だ!編 11 色んな君が好き

 バーベキューって実はすごく久しぶりでさ。  子どもの頃、町内会のイベントとかでやったくらい、かな。親もそこまでアクティブって方じゃなかったし。僕がそもそもガッツリインドア人間だったし。いや、今もしっかりスクスクインドア人間としてまっしぐらに成長してるけど。  だから火おこしの時点で分からなくて。  火おこしの仕方っていうサイトと睨めっこしながら二人でやってた。  グリーンならなんでもできそうなのに。ちょっと意外で。  だってアメリカ発祥文化って感じするじゃん。  で、やっぱり向こうでhバーベキューはことあるごとにやるらしいんだけど、火おこしはじーちゃんたちがやっちゃうから、やり方はわからないんだと、教えてくれた。  おじいちゃんは元気かなぁ。  あの時、たくさん優しくしてくれたグリーンの家族のことを思い出して、笑って。  グリーンは、すごくすごく柔らかく笑って、ようやくメラメラしだした炎を眺めてた。  少し懐かしかったのかもしれない。  少し、会いたくなったのかもしれない。  そう思いながら、綺麗な横顔を眺めてた。 「ふぅ……お腹いっぱいだ」 「菓子パン、なくて大丈夫だったね」 「うん」  けど、火加減難しかったね。  コンロみたいにさ、火の調節できるわけじゃないじゃん?  網の下にある火種をいじれればいいんだろうけど、お肉が上に乗ってる網を動かすと、お肉も野菜も落っことしちゃいそうでできなくてさ。二人して、大慌てでお肉を網から回収しつつ、煙に目潰し攻撃食らったり。間に合わなかった真っ黒コゲ付きお肉を複雑な顔で食べてみたり。せっかく飲めるようになったアルコール手付かずで、お肉食べるのに忙しかったり。ケチャップ、あった! なんて、もうほぼほぼケチャップ欲しい系のお肉食べ終わった頃に気がついたり。  忙しくて。  騒がしくて。  大変だったし、色々……うん、大変だったけど。 「ねぇ……グリーン」 「?」  色んな君が見られた。  火がつかなくて困った顔のグリーン。  美味しそうにお肉を食べるグリーン。  ケチャップ見つけた瞬間のあの顔、最高。  野菜獲ってた時の楽しそうな顔もよかった。  でも、変な形のナスを見つけた時は面白い顔してた。  それから――。 「シャワー棟、行こうよ」  それから。 「髪とかスモークされちゃったから」  シャワールームはそれぞれの部屋ごとに鍵がついていて、テントと同じその鍵じゃないと開けられないようになってた。一つ一つは狭くて、ほら、よくあるシャワーブースみたいに小さいんだけど、木のいい香りがして心地良い。  男二人で入ると、ちょっと狭いかな。  だから君の表情がシャワーのミストでぎゅうぎゅうに立ち込めてる湯気の中でもよく見える。 「青葉のいっぱい濡れてる」 「あ、カウ、ぱ……言うなっ、はずっ」 「トロトロ」  色んな表情の君が見られて楽しかった。 「あっ……ふ、ぁっ」  けど、一番嬉しかったのは、ね。 「ぁ、あ、ぁつ」 「青葉」 「そこ、気持ちぃ」  ヤキモチした時の、顔、かな。 「グリーンの手、気持ち」 「っ」  いっつも優しいんだ。本当に紳士でさ。どんな時でも柔らかく笑ってくれる。僕はそんなグリーンが大好きでたまらないんだけど。 「青葉」 「ぁ、あ」  トモさんに怒った顔してくれた。  僕のこと。 「ぁっ、これっ」  自分のだって、言ってくれたの、すごくすごく嬉しくて、ドキドキが止まらなかった。 「ぁ」 「青葉、そのまま俺たちの扱いてて?」 「んんんっ」  片足を持ち上げられて、小さなシャワールームの四角い箱の中で水音とは全然違う。二人の熱を夢中になって扱く僕の手の中のクチュクチュって音とも違う。 「ひゃぁぁ……あ」  ローションの立てるやらしくて、ドキドキしちゃう音が僕の甘ったるい声と一緒に響いちゃう。  グリーンの腕に足を引っ掛けて持ち上げられて、その腕は僕の背後に周り、僕のお尻をぐいって広げてる。いい香りのする木の壁に背中を預けて、下半身をグリーンに密着させて、僕の両手は二人の熱を上下に動かしながら握りしめて。 「あぁ、あっ、そこ、ぁ、つ」 「うん」 「あ、あ、あ」 「青葉」 「んんんっ」  もう片方の手が僕の、鷲掴みにされて広げられたお尻の、とこを暴いて。 「あ、あ……ン」  柔らかくほぐしてくれる。 「ぁ、グリーン」  そこ、好き。 「青葉」 「あ、あ、あ」  そこ、撫でて。 「ぁ」  気持ちいいよ。 「グリーンっ」 「青葉の手」  気持ちい?  ここ、好き? 「っ」  くびれのところ、たくさん、何度も擦ってあげるよ。 「っ、ン」  気持ちよさそうにしてくれる。 「青葉っ」  だから持ち方を変えて、先端の丸いところを包み込むように掌でクチュクチュ握って、扱いて、撫でた。 「あっ、グリーンっ」  気持ちよくしてあげて、気持ち良くしてもらって。 「あ、あ、あ」 「青葉の中、熱くて柔らかい」 「あっ」 「指、気持ちい」  耳攻撃、ダメ。  その声、反則。 「青葉?」 「あ、あ、ダメ、ダメっ」  指、気持ちい。 「グリーンっ」  やらしい音も気持ちい。  グリーンのと擦れるのも気持ちい。 「青葉」 「あ、キス、して、グリー、ん」  舌が絡まるキスも、すごくすごく。 「ん、イク、イッちゃう、イっ……っっっ」  気持ち良くて、小さなシャワールームの中でお湯に浸かってるわけでものぼせちゃいそうなくらい、ふわふわでとろとろになってた。

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