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第20話
アダルトショップには、それなりに人がいた。カップル連れが仲良くラブグッズを見ていたり、夜のお仕事っぽい人がムチを見ていたり、様々だ。
あまり大声で話したつもりはないんだけど店員に注意されたから、声のボリュームを下げる。
なんだか周りの人らには、おれが小焼にちんこ突っ込まれてるほうだと思われてそうだ。オナホの話してたからかな、たぶん。
「どれにしますか?」
「けっきょくオナホ買うのかよ。小焼が試したいやつにしたらどうだ?」
「夏樹の分も必要では?」
「おれは小焼に入れっから必要ねぇよ」
「私をオナホ代わりにする気ですか?」
「違う違う!何でそうなんだよ!?」
店員と目があった。やばい。出禁くらいそう。
とりあえず早く買い物を終わらせて出て行こう。そうしよう。
小焼はどうしてもおれにオナホを使わせたいようだから、テキトーに緑色のパッケージのやつにした。小焼は紅白のしましまパッケージのやつだ。
防御力皆無の下着は買わなくて良いな。おれのエクスカリバーはあれだとぽろりしちまう。
コスプレ衣装もあったけど、小焼が着たがっているバニーは無いし、今回はスルーだ。
ローションとゴムとオナホを買って店を出た。黒いビニール袋に入れてくれたから、ぱっと見は何が入ってるかわかんねぇし、何処の店かもわからない。ふゆが同人誌買う店もこういう袋だったなぁ。えっちな表紙が見えない感じの。
アダルトショップで買い物もしたし、次は何処に行こうか。目的も決めずにぶらぶら歩いてるから、いっぱい歩いて健康的だ。
「次は何処に行きますか?」
「小焼が行きたいところ」
「そればかりやめてください」
「えー、だって、おれ、本当に小焼が行きたいところに行きたいんだよ」
「私は夏樹が行きたいところに行きたいです。さっさと決めろ」
「それなら、スポーツゲームできる施設できたらしいから、行ってみようぜ!」
「はい」
小焼と一緒なら何処でも良いんだけど、小焼が不機嫌になりかけていたから、数日前にふゆが話していた施設に行くことにした。
今はアニメとコラボしてて、コラボグッズを貰えるキャンペーンをやってたはずだ。そのグッズをふゆは欲しがっていた。
で、スポーツゲームの施設に着いたわけだが、ボールを投げて的を落とすゲームやボールを蹴って的を落とすゲームがある。ボールがいっぱいだな!
「これ、ふゆの好きなキャラですね?」
「そうそう!今コラボ中でさ、ふゆがコラボグッズ欲しがってんだ。えーっと、的を全部落としたらグッズ貰えるみてぇだな」
「落とすだけで良いんですか?」
「とにかく、パーフェクトなら良いはずだ」
「わかりました」
小焼がやる気満々だから任せて見るか。
フレームに9枚のパネルが入っていて、12球で全て落とせば良いらしい。野球部なら簡単そうだ。小焼は水泳部だけど。
小焼は振りかぶって、投げた!
ボールはフレームに当たり、跳ね返ってきておれの顔面に当たった。何でだよ!涙出てきた。
おれがぐずついていると、パッパラーと楽しい音楽が鳴る。
「全部落としましたよ」
「うわぁ……力技だ」
これで良いのか?
スタッフがコラボグッズをくれたから、良かったんだよな?
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