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第34話
一緒に棹を扱いていると、涙に潤んだ赤い瞳に睨まれる。
ああ、もうイキそうってことな。
「小焼。ちょっと、寝転んでくれ。こうしたほうが楽だろ?」
「らく、か?」
「楽だ。楽。少なくとも、おまえはな!」
おれが上に乗って腰振って擦り付けたほうが良いだろ。小焼に乗ってもらったら、下手したら筋肉で圧死しちまいそうだし。あと、こうしたらおっぱい揉める!
「っ、また、胸を触りたいだけだろ」
「だって、おっきいおっぱいがあったら触りたいだろ!」
「夏樹だけですよ」
あきれてるけど、しっかり快感は拾ってるようで、体がビクビク跳ねている。
おれが腰をゆるーく動かしてるから、刺激が足りなくてイクにイケない感じになってそうだ。だけど、激しくしたらちんこ傷めちまいそうだし、そんなことでヤれなくなるのは恥ずかしい。おれ、医者だから自分で診察できっけど。
「はっ、あ……ん……なつき」
「あいあい。どうした? もっと揉みしだくか?」
「ばか」
「おう。バカだ。それも、小焼のことが大好きなバカだぞ!」
「……ばか」
悪口しか言わなくなっちまったな。語彙力も普段から考えられないくらいに低いことしか言ってねぇ。
もうちょっと乗り上げて、キスをする。噛みつかれて唇が切れたようで血の味がした。だけど気にせずに舌を絡ませて、吸って、唾液を呑み込む。頭がぼーっとするくらいに夢中でキスをした。ああ、もう、大好き。めちゃくちゃ好き。このまま腹上死しないか心配になるくらいに好き!
小焼の手がおれの乳首をひねる。痛い。痛いけど、きもちい。
「あっ、それ、好きぃ」
「変態」
「んっ、罵られたら、もっと興奮しちまうぞ」
「どうしようもないくらいに変態ですね、おまえは」
「そんで、どうしようもないくらいに、おまえのことが好きな変態だぞ!」
「はぁ」
やや困った様子の溜息だ。こういう仕草はわかりやすい。表情には出ないけど、態度でなんとなくわかる。
互いに乳首弄りあって、ちんこ擦り付けあって、とてつもなく幸せだ。気持ち良くって、もう色々出ちまいそう。
ローションを追加して、もっとぬるぬるにしてやる。ついでに小焼の体にも塗りつけてみた。立派な筋肉が更に輝いて見える。
「すげえ。かっちょいいな」
「何してんですか」
「いやぁ、小焼はマッチョだからさ、こう、光沢を与えたら、すっげぇかっこいいなって思って」
「お前は私を超合金ロボとでも思ってるのか」
「あはは、わりぃわりぃ」
舌がよく回るもんだ。
もっかいキスしつつ、腰を振る。小焼がぎゅっ、と抱きついてきてたので、手で軽く引っ掻いてやった。そしたら、肩に痛みが走る。噛みつかれた。
イク時に噛みつく癖はなおらねぇよなぁ……。痛いけど、気持ち良い。その刺激で、おれもイッた。
欲を吐き出したゴムをゴミ箱に投げたら入らずに落ちた。中身ちょっと出た。
「汚いことしないでください」
「汚くねぇよ。おれの遺伝子情報だぞ」
「タンパク質の塊なんですから、雑菌の温床になるでしょうが」
「おー、それはそうかもな! すぐ掃除すっから!」
ベッドから下りて、除菌スプレーとティッシュで掃除した。
落ち着いて見れば、ローションで色々ドロドロになっちまってるな……。こっちのほうが雑菌の温床になりそうだ。
「シャワー浴びに行きますよ。お前が塗りたくったローションが気持ち悪い」
「一緒に入ろうってお誘いか?」
「水道代が浮く」
「あいあい。そういう考えもあるよな!」
実際問題水道代は変わらないような気もするんだけど、大事なのは気持ちだよな。
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