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一緒にお風呂[1]
「皐月、バンザーイ」
どうやらほんとに脱がせてくれるらしい。
くるりと背中を向けてから両手を上げる。
「後ろ向いちゃうのか?」
「向いちゃうの!」
悠さんは笑いながら俺のシャツを脱がせて、髪を軽く撫で直してくれた。
そしてベルトに手を伸ばそうとするからパッと手を払う。
「下は自分で脱げますよ」
「いつもは脱がせてもらってるくせに?」
「いつも~?」
「ベッドでは、そうだろ?」
「ちがう!それはイレギュラーだもん!お風呂の時は自分で脱ぐの!」
「はいはい。じゃあベルトだけ取らせてあげる」
後ろを向いたままベルトを外すと、腰の隙間から右手が侵入してきた。
指の腹で下腹をやんわりと撫でて、更に左手は胸元を弄る。
勝手に震える体……瞼にギュッと力を入れて堪えていると、今度は舌がうなじを刺激してきて、次の瞬間殊更強く唇でちゅーっと吸われた。
「んやぁ…っ」
堪らず声を漏らすと、満足したようで手が離れていく。
素早く服を脱ぎ捨てた悠さんに体を反転させられた。
「ほら、入るよ。俺の体、皐月が洗ってくれる?」
「……うん」
涙の滲む瞳で見上げて、手に掴まって頷く。
いつの間にパンツまで脱がされてたんだろう。
足首に引っかかってる部分を逆の足で外すと、器用な足だな、と笑われた。
頭だけはそれぞれで洗って、ボディウォッシュのポンプを渡されたから、受け取って少し考え込む。
押すと泡で出るタイプのボディウォッシュ。
背中から洗えばいいのかな?いきなり前とか、恥ずかしいし…。
「……背中…触るよ?」
泡を手にとって、背中にくるくると這わせた。
「気持ちいい?」
「ああ、気持ちいいよ」
…なんだか、お父さんと息子みたいだな。
左右の腕を洗って、胸にも手を伸ばす。と、
シュワシュワ音をさせて、悠さんが自分の手にも泡を出した。
首を傾げるとニヤリと笑って、俺の胸に腹にと塗り付けてくる。
「悠さんも洗ってくれるの?」
「いや、皐月が洗ってくれるんだろ?」
だから洗ってる…んだけど。
俺の前半身にたっぷり泡を塗りつけると、悠さんは満足そうに笑顔を浮かべて頷いた。
「良い出来に仕上がったろ。皐月スポンジの出来上がりだ」
「………はあっ!?」
「男の浪漫、だろ?」
「…………」
オヤジだ!言ってること、ただのスケベオヤジだ!!
悠さんって実はオヤジだったの!?
余裕のあるカッコイイ大人じゃなかったのかよーーっ!!!
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