「こ…た……？」 「…なんですか？こた、って」 「ど…して……？」 どうして、抱き締めているのか…って？ 背の高さが同じくらいだから、涙を服に移してあげることができない。 耳元で、ひぐっと涙を飲む音が聞こえた。 背中に回した腕に力を込めると、縋り付くように胸にしがみついてきた。 「リュートさん…」 愛しくて、涙でべしょべしょの頬に頬ずりする。 肩がビクリと震えて、ふぁっ、と小さな声が聞こえた。 なんだよ。さっきまでの大人なこの人と、全然別人じゃん。 こどもみたいでヤバイ可愛いんだけど。 「俺、さよならとか嫌なんですけど」 唇を耳穴にギリギリまで寄せて、低い声で囁きかける。 んッ、と首をすぼめる姿に胸の中と中心とが疼く。 「貴方が愛しいから離れようと思ったのに……」 体を少し離させて、真正面から瞳を見据える。 「好きとか言われたら、もう離せないだろ」 なにか言おうと開かれた唇が音を発する前に強く塞いだ。 「んっ……」 そんな切ない声、出さないで欲しい。思わず乱暴に抱きたくなってしまう。 好きな人が泣いてるのに優しくできないなんて、男の風上にも置けないだろ。 優しく、できるだけ優しく、ちゅっ、ちゅっ、と角度を変えて何度もくちづける。 なのにこの人は掴まる手にぎゅっと力を込めて、舌を挿し入れてくる。 そんなことをしてくるから、ビッチだって誤解しちゃったんじゃん。 舌を絡ませて、根元を探るように口内に侵入して、求められるままに中を犯す。 添えていた手で背中を撫で下ろし、舌を強く吸うと、 「んぅ……ふぁっ、…ひぁんっ」 リュートさんの腰が、大きく跳ねた。 えっ……？と………？ 「イッちゃった？」 「………イッてはいない…」 「イッては、……はあ…」 唇を離して頬を撫でる。 泣いて赤く染まった目の周り。潤んだ瞳。濡れた唇。見せないようにしているんだろうに、逸しきれてない真っ赤な顔。 全部、嫌になるくらい煽情的で、俺の理性はリミットブレイク寸前だ。 今ならメテオレインはおろか、超究武神覇斬すら出せる気がする。股間から。