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お仕置き[1]
【夏木Side】
───バタン
広川が部屋から出たのを見送って、リュートさんを押し離した。
「功太…」
甘えてこようとする体を交わして、ベッドに座らせる。
「ねえ、わかってる?俺、ちょっと怒ってんだけど」
「え…?」
見上げる瞳が不安げに揺れた。
「……僕が、皐月くんに意地悪───」
「俺が広川に手ェ出そうとしてる。って思っただろ?」
「あっ…」
気まずそうに目を伏せたのが、肯定の意だ。
広川のことはもう諦めた。貴方が好きなんだ。そう何度耳と身体に刻み付けても、この人の不安は消せないらしい。
「だから、さ。俺を疑った貴方に、お仕置きをしようか」
「おしお…き……?」
ドクン───と。
鼓動を感じてしまう程に、リュートさんは瞳に宿した色を変えた。
「なに?そのエロい顔は。なに期待してんだか」
『お仕置き』なんて一言カマしただけでこんなうっとりした表情浮かべられると、相当スゴイ事やってやらないと期待外れって思われんじゃないだろうか…。
……はぁ。この人ほんと、とことん淫乱なんだな。
リュートさんをベッドに放置したまま、クローゼットへ向かう。
確か、この辺に掃除の時に見つけたものが…。
「…あっ、待って!功太…っ」
リュートさんが慌てて立ち上がろうとするのを視線で抑えこむ。
あった、コレコレ。
小さめのダンボール箱の中、カラーの紙袋を掴み取る。
「これ、俺がいない時に?」
「やっ、違うっ!最近は全然使ってなくて、功太が越してくる前、に…」
手渡すと、すぐに背中に隠した。
隠したところでもう遅いけど。そもそもここに越してきた頃にもう見付けてたし。
「じゃあ、1人で慰める時にお尻に挿入れてたんだね」
「……はい…」
赤く染まった肌。瞳がうるりと濡れて、次の言葉を待つ。
恥ずかしいのが嬉しいのか…。
まったく、この人は……。
「もっと枕元に行って」
「はい」
従順な恋人が言われた通りに枕元へ上がるのを待って、ベッドの上、足元の方で胡座をかいた。
「じゃあ、俺見てるから」
「……え?」
その玩具で、俺に遊んでもらえるとでも思ってたんだろうか。
きょとんと、こんな状況なのにあどけない表情を見せるその様が可愛い。
「それで、自分を虐める姿を俺に見せてくれる?」
「えっ、功太…?」
「お仕置きって言ったよな?」
「…はい……」
リュートさんは恥ずかしそうにしばらく脚をモゾモゾとさせていたけれど、俺がじっと見つめていることを確認すると、ベルトを外し、下に履いていたものをスルスルと脱いだ。
ぷるんっと半分ばかり勃ったモノが待ちきれない様子で飛び出してくる。
「んぅっ…」
そんな刺激にも感じるのか、小さく喘ぎ声を漏らす。
紙袋を開けるカサカサという音が聞こえて、背後から玩具が取り出された。
その細めのバイブにゴムを被せると、リュートさんは俺に見えるように脚を開いてそのまま自分の窄みにそれをあてがった。
えっ…!?
「もう…そのまま行くの?」
作ってたはずのSキャラのメッキが剥がれて、思わず素で訊いてしまう。
流石にイジらないままでそれは…どうなんだろうか……
「んっ……大丈夫…。これ、ヌルヌルだから…」
俺の顔を見ながら、自分で弄りながら、ヌルヌルとか…ヤラシイ顔で言わないでくれないかな。
リュートさんがエロ過ぎる所為で、自分には通っていないとばかり思っていたSの血が、どこからか湧き出して騒ぎ出す。
「そういえば鍵、開けっ放しだね。誰か入って来ちゃったらどうしよう?」
外に香島さんも居て、そんな事はないだろうけど。
薄く笑ってみせると、リュートさんは困った顔をしてフルフルと首を振った。
「リュートさん、そんなヤラシイ事してるの見られたら、お客さんに襲わちゃうかもね」
「やっ…やだっ…!功太じゃないとやだぁっ」
やだと言いつつ想像して興奮したのか、リュートさんのモノがピンと立ち上がった。
…おいおい、大丈夫かこの人……。
マジで襲われたら、言葉では抵抗しつつもめちゃくちゃ感じちゃうんじゃないか…?
そんな心配をしながら見ている先で、入口をさぐっていた先っぽが、徐々に中に挿入っていく。
なんか、動きが上級者っぽい。
「…はぅん…っ」
好いトコロに当たったのか、眉根を寄せて声を漏らす。
カチッと音がして、モーター音が静かに聞こえてくる。
くちゅ…ずちゅ…
ウィンウィーン…
リュートさんの中の見えないトコで、モノがうねってグチュグチュにかき混ぜてる。
半開きの口から、気持ちよさそうに嬌声なんかあげちゃってさ。
エロい顔。
伏せられてた睫毛が震えて、潤んだ青い瞳が俺の姿を映す。
「ゃっ……あぁんっ…こーたぁ…っ」
「っ───!?」
ずきゅーん、とか、バキーン、とか。
自分から効果音が漏れた気がした。
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