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可愛い生き物[4]
【悠Side】
ズルズルと中から引き出して、ゴムを外して口を結ぶ。
薄型だが、破れていないな。
付けていない様、とまでは言わないがかなりダイレクトに伝わってくると思う。使い心地は悪くない。
まあ、皐月の中が格別なだけかもしれないが。
今度はジェル付きでも試してみるか。
使用済みをベッド脇のごみ箱に投げ入れ、ティッシュの箱を取って振り返ると、皐月が腰に勢い良く抱きついてきた。
「悠さん。なんで終わった感じになってるの?…俺、初めはって言ったじゃん」
上目遣いで見上げられて首を傾げると、まだ白い液を纏ったままの俺のモノに舌を這わせてくる。
「次は…後ろからシて欲しいです」
朱に色付いた唇にはむ…と挟まれれば、欲望を出し切った筈のソレも反応せざるを得ない。
硬さを増したことに気づくと、皐月は嬉しそうに微笑んで、夢中でしゃぶりついてくる。
目を閉じて、頬を赤く染めて、口の端からは唾液の糸を垂らして。
その様子がどうにもエロティックで、けれど例えようもなく可愛くて…。ここに照れ顔が追加されれば最強だな、等と皐月の恥ずかしがる言葉を探してみる。
「一体皐月は、しゃぶるのと突かれるのと、どっちが好きなんだ?」
「んぅ…っ?…はぁ…ぁん、どっちも……悠さんの、おち〇ちんが、すき…ぃ、はむぅ」
「……そうか…」
───駄目だ。
照れさせるつもりが、ズキューン、と撃ちぬかれた。
なんだこのエロ可愛い生き物は。
「皐月、俺にお尻を向けなさい」
「……はいっ」
随分と良い返事をすると、皐月は名残惜しそうに唇を離し、
「俺のいやらしくヒクついてるおしりの穴、悠さんの硬いおち〇ちんで…いっぱい虐めてください」
四つん這いになり、腰を高く掲げた。
……いや、違う。俺は決してサディストではない筈だ。
だと言うのに何故こんなにも、俺のモノは滾っているのか……。
溢れてきた唾液をゴクンと喉の奥へ追いやる。
皐月の細腰を両手で支え、白い滑らかな背中に堪らず口付けて赤い跡を残した。
「ぁ…んっ」
愛撫に感じた啼き声が艶っぽく震える。
まだ挿れない。閉じさせた太股に挿し込んで抜き差しすると、皐月はガクガクと腰を震わせて先からはトロトロと愛液が漏れ出した。
「まだ挿入 ってないのにな」
小さく笑うと、「早く挿 れて…ぇ」と可愛く強請られる。
「わかったわかった。少し待っていなさい」
皐月の睾丸に熱を擦りつけ放ったらかしにならないようにしながら、上半身だけを起こして手を伸ばす。
引き出しを開き、色とりどりの箱の入ったケースを取り出すと、体を戻しそれを皐月の前に見えるように置いた。
「皐月はどれがいい?」
「えっ…?」
「さっきのが、この激薄ってやつな」
「……もう、また増えてるしっ」
皐月はそう言って頬を膨らませるが…。
俺だってなにも、趣味でコンドームを大量に集めている訳ではない。これも、仕事の一環なのだ。
所謂ジョークグッズ製作会社にも投資をしていて、試作品のモニターや新作のアイデアなどを求められることがある。
皐月はそういった商品には抵抗があるのか、余り協力的ではない。
コンドームが精一杯で、バイブやローターの類は箱を見せただけで逃げられたことがあるから、それ以来リュートに回すことにしている。
まあ、それ以前から使う相手がいなければすべてリュートに流していたが。
「ほら、これはイボイボが付いてるんだぞ」
「うっ……意味がわかんない…」
「擦れて気持ちいいんじゃないのか?これは確か、バラの香りが付いてるんだっけか」
「匂ってどうするんだよ」
「どうするんだろうな。あ、でも見てみろ。亀頭の部分に薔薇の花形をあしらってあるから、ゴリゴリして気持ちいいんじゃないのか」
「もーっ、そんなんばっかり!」
羞恥に顔を赤くして怒鳴る姿が可愛らしい。
気持ちいいのは好きなくせに、恥ずかしいのか試したいと口に出さない。
「……悠さんは、どれが良いわけ?」
「んー?俺は、このジェル付きのを試したいかな」
紫とピンク色のパッケージの箱を取り出して手渡すと、……そこに『媚薬成分配合ジェル』の文字を見つけてしまったんだろう。
皐月は顔を真っ赤に染めると潤んだ瞳で、「だめっ!これはだめっ!」と箱を突き返してきた。
「なんで駄目なんだ?」
「だって、これ…おかしくなっちゃうもん…」
……そうか。可愛いから今回は許す。
これは次回にこっそり使おう。
「なら、どれにする?」
「……普通の」
普通の…ねぇ……。
新商品の試作品のモニター用に、極一般的のものなど渡されるはずがないんだが。
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