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考えなくちゃ[1]

悠さんの腕から抜けだして、寝室を目指した。 ドアを開いた寝室の中は、外から入り込む陽の光で明るくて、眩しくて…… 今の俺にはそぐわなくて、窓辺の遮光カーテンを隙間のないようピシッと閉めた。 ベッドに腰掛けて、考える。 本当は、行くってすぐに答えたかった。 だけど、そう答えられて悠さんはどう感じるだろうか? また何も考えずに答えて。 いつも皐月は人の話をよく聞かないで、適当に返事をしすぎなんだよ。 自分とのことにもっと真剣になって欲しい。 そう、思われるのかな……? 今までずっと、そう思われてたのかな? だからあの時も、怒らせちゃったんだろうか…。 悠さん、さっきなんて言ってた? 俺に、実家に来る?って訊いてくれてたんだっけ…? ……いや、違う。 確か、「俺の実家にも行くか?」って……。 ───じゃあ、もしかしたら、俺が連れて行ったから、自分のところにも連れて行かないとならないって、義務的なこと考えて……? 本当は帰りたくなんかないのに、俺に気を使ってムリヤリ? 本音は、やっぱり俺に「行かない」って言わせたい…のかな…… …あ、あれ?じゃあやっぱり前のアレもほんとは、俺に「ゲイ婚なんてしない」って言わせようと思って……? 「悠さん…ほんとは俺のこと好きじゃなかったの……?」 いつの間にかまた泣いてたみたいだ。 涙がボタボタって零れ落ちた。

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