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上書きと消毒[1]

【夏木side】 会社から帰ると、リュートさんが珍しく俺を追いかけて部屋に入ってきた。 「功太っ」 スーツの背中に抱きついてくるから、手を握って緩ませて、体を回転させて正面から抱きしめ返す。 「何かあった?」 肩に当てていた顔を上げ、視線を揺らすと、うんと頷く。 「初めて来たお客さんに、手を握られて……」 ───かわいい! 何この人、超かわいいんだけど!! 「功太じゃないと、嫌なのに…」 そう言って瞳を潤ませるこの人は、歳上なのにまるで少女のよう。 最近リュートさんは、こういうちょっとした事でも、ちゃんと俺に話して助けを求めてくれるようになった。 もう、愛しくてしょーがない。 「どっちの手?」 訊ねると、背中に回っていた手を離し、おずおずと右手を差し出した。 「じゃ、上書き」 細くて長い、綺麗な白い指をにぎにぎする。 すべすべしてて気持ちいい。 左手の上に置いて、しばらく右手で撫でたり擽ったりしていると、 「…こーたぁ……」 切ない声で名前を呼ばれた。 スイッチ入っちゃった? でもリュートさん、まだ仕事中だしな…。 「んじゃ、消毒だけな」 断わってから、その指に舌を絡ませる。 「はぅん…っ」 指がピクリと反応した。 指先を口に含んで、ピチャピチャと舌を這わせる。 指の股を舐め上げると、肩が震えて一層高い声が上がった。 そんな反応されると嬉しくなる。 気を良くして、指の関節を一本一本しゃぶっていると…… 「こーたぁ…溢れちゃう…」 腰に、反応して熱くなったソコを押し当てられた。 ……マズい。この人、仕事中だってこと忘れてないか?

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