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イチャイチャの邪魔者[1]
目の前に現れた待ち侘びてないその顔に、慌てて急旋回。
倒れそうになった俺を力強い腕が抱き寄せてくれた。
「悠さん、ありがとう」
お礼を言ってお帰りのちゅーをしようと背伸びすると、
「いいえ」
他人行儀に身を離された。
悠さんの隣でニヤニヤしてる気に食わない顔を睨み上げる。
絶対に、父さんのせいだ!
だっていつもなら悠さん、リュートさんや夏木がいたって抱き締めてキスしてくれるもん。
「なんで父さんが悠さんと一緒にいんだよ」
悠さんの腕に抱き着いてから文句を言うと、父さんは何でもない顔をして「迎えに来てもらったんだよ」と言う。
「つかな、お前の説明じゃ心許ねぇから悠に説明させようとパトカーん中から電話したら、直接話すから来るっつってな」
ほんっとお前には勿体ねぇ使える奴だよな、なんて失礼な物言いをして、父さんは悠さんの背中をバシッと叩いた。
「悠さんに触んな!」
父さんから庇うようにその体を抱きしめて見上げると、悠さんは父さんの無礼さも気にしていないようで、小さく苦笑して俺の頭を優しく撫でてくれた。
ほんっと、器が大きくて、大人で、優しくてカッコいい…俺には勿体ないぐらい素敵な人だよ。
父さんのばかっ!
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