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イチャイチャの邪魔者[2]
中に入ろうと促されて部屋へ向かうと、内側からドアが少しだけ開いた。
夏木が顔だけ覗かせて、俺たちの背後を確認すると父さんに向けてぺこりと頭を下げる。
「あっ、広川のお父さんですか?こんばんは、取り敢えず中へどうぞ」
「おっ、もしかして夏木か?おい、皐月。夏木のドコがフツメンだよ。爽やかで大したイケメンじゃねーか」
「うっ、うるさいな、もうっ!それは既に解決した事案だよ!」
早くドアを閉めたいだろう。
図々しく真っ先に扉をくぐった父さんに続いて、急いで玄関から中へ入った。
最後に玄関へ上がった悠さんが辺りを警戒してからドアを閉める。
扉からオートロックのカギが締まる音がした。
父さんが進んでいくのを見送って、足止めしておいた悠さんを振り返る。
「お帰りなさい、悠さん」
改めて伝えて、その肩に掴まってちょっとだけ背伸び。瞼を閉じる。
「ただいま、皐月」
優しい唇の感触が、ふわりと重なった。
外から帰ってきたばっかりだからか、ちょっと冷たい。
あっためてあげたくて、つま先立ちで目一杯背伸びした。
くすりと小さく笑うと、悠さんは俺の頭の後ろと腰に手を当ててぐっと引き寄せてくれる。
「あっ、…ん……っ」
唇が触れてるだけの優しいキスなのに、気持ちよくて声が漏れちゃう。
「香し───ととっ」
ムー……、今度は夏木に邪魔された。
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