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可愛い3人組
奏太くんを真ん中に、リュートさんと3人で水槽を眺めてる。
「かわいーっ、エビさん水車で遊んでるよ!可愛いねぇ」
「奏太くんはどの子が好き?」
奏太くんは目をキラキラさせて水槽に釘付け。
リュートさんは優しい眼差しでそれを見守ってる。
「う~んとねぇ…、あの赤いしっぽヒラヒラの子!皐月くんは?」
キラッキラの瞳が振り返った。
そうだなぁ…。どの子もみんなちっちゃくて可愛いけど……。
「俺はぁ…あの青い子かな。すごく綺麗」
「ブルーグラスグッピーだね」
「グッピーって聞いたことある!」
リュートさんが名前を教えてくれると、奏太くんは嬉しそうに答える。
「奏太くんの好きな子もグッピーだよ。スーパーレッドグッピー」
「おんなじグッピーだって!皐月くん、お揃いだね!」
「うん。奏太くんとおそろい、うれしい」
あぁ、魚よりも奏太くんとリュートさんが可愛い…。
なんて思っていると、
「あーっ、3人とも可愛いなあ!」
夏木の変態的な叫びが聞こえてきた。
「はぁ!?皐月がか!?」
「リュートは別に可愛くないだろうが」
両脇を固めるその言葉に、思わずムッとする。
「そこ、聞こえてるからね!悠さんはいい加減リュートさんが綺麗で可愛いってこと認めないと、そろそろ俺怒るからね!」
振り返って指を突きつけると、悠さんはビックリした顔をして「俺が怒られるのか?」なんてトボケたことを言ってる。
「な、アイツ可愛くねぇだろ、悠?」
もーっ、なんだあの親父は!!
ほっぺた膨らませてプリプリ怒ってると、隣にいた奏太くんがパタパタと駆け出していった。
「おじさん、香島さん。皐月くんもリュートさんも可愛いよ!」
手を握って訴える奏太くんに、父さんは顔を緩ませ、悠さんも困ったように笑う。
うぅ…ん、奏太くんが可愛いのは分かるんだけどさあ、…悠さんが俺以外にそんな顔しちゃうとか、ちょっとジェラシー。
俺もそっちに走っていって、悠さんにガバッと抱き付く。
「悠さぁん、もう怒ってないから、悠さんも一緒に魚観よ?」
「分かった。観ようか」
俺の頬をするりと撫でて、悠さんが立ち上がる。
「夏木」
俺と繋いだのと逆の手で、夏木の背中をポンと叩く。
夏木も椅子から立つと、水槽の前のリュートさんの元へ歩いて行った。
「涼太ぁ」
奏太くんが甘えたように名前を呼ぶと、涼太くんはフッと微笑み奏太くんの頭を優しく撫ぜる。
夏木の家って、確か4人兄弟だったよな。
もう一人、お兄ちゃんが居るんだって言ってた気がする。
4分の3が男同士で付き合ってるって、きっと珍しいパターンだよなぁ。
まあ、悠さんの家は3分の2で、うちなんか1分の1になっちゃうわけだけど。
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