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少しでも快適に

いつの間にか夏木が、夏木家、香島家、それからうちの親の分も、近くのホテルを取ってくれていた。 流石営業部。気が回るって言うか、なんだかんだで頼れる奴。 今、悠さんが皆をホテルまで案内してくれてる。 夏木が行くって言ったんだけど、お前はリュートについててやれ。一度出るとリュートが階段の施錠に出ないといけないだろう?って。 きっとね、悠さん自分でチェックインの手続きをして、その場で宿泊費を払ってくれようとしてるんじゃないかな。 悠さんは、こういう事は一番稼いでる奴に任せておけばいいんだよ、なんていつも言ってくれるけど…。 いつも甘えちゃってごめんね。ありがとう。 うちの親まで、お世話になります!! だから俺は、悠さんが帰ってきて少しでも快適に過ごせるように、やれる事をやっておこう。 まずはエアコンのスイッチを入れて、お風呂にお湯を張る……って言っても、たった1つボタンを押すだけで適温、丁度いい深さまでお湯が張られる。 俺、なんの役にも立ってない……。 ううん!やれること、それだけじゃないもん。 着替えを出しておこう、とウォークインクローゼットに向かう。 悠さんは、スウェットやTシャツじゃなくてちゃんとパジャマを着る人だ。 今日はこれかな。 濃いブルーに黒のパイピング。着心地いい生地の開襟パジャマ。 俺のもお揃いを用意する。 色違いで、薄いブルーに白のパイピング。 悠さんのお気に入りのブランドで一緒に買ってくれたものだ。 それから、下着も取り出す。 悠さんのは一貫して、黒無地で、ゴムの所に白でブランド名が入ってるボクサーパンツ。 俺のもボクサーパンツだけどもうちょっとハデで、黒地に白いミ○キーのシルエット、ゴムは赤。 2人でランドに行った時に買ってもらったんだ。 着替えを脱衣所に置いて、…あとは何が出来る? お風呂上りは、スポーツドリンクかな? 帰ってきたらコーヒー飲むかな? 取り敢えず一杯ずつ二人分、コーヒーを落として、 次は明日の朝食べるパンの用意。 粉やらバターやらを量り入れて、予約タイマーオン。 うーん…、本格的にやることなくなっちゃった。

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