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皐月から見た朝

今日は皆で湘南の夏木の実家に行くんだよって、朝起きたら悠さんが教えてくれた。 いっぱいちゅーってして甘えた後。 悠さんが作ってくれた朝ごはんを食べて、並んで歯を磨いて、服を着替えて、髪を梳かしてもらって。 昨日一度着た服なのに、なんかふわふわしてて気持ちいい。 「ゆーさん、おようふく、あらってくれたの?」 訊けば悠さんは、「うちの匂いになってるだろう?」って。 裾を持ち上げてクンクンすると、ほんとだ。うちの匂いになってた。 「ありがとーっ!」 嬉しくて脚に抱き付くと、いいえ、と言いながら抱き上げてくれる。 「ゆーさん、すき~っ」 首に手を回してちゅーってすると、ちょっと困った顔して頭を撫でてくれた。 ん~…、俺が小さくなってからこっち、どうにも子ども扱いされてる気がする。 昨夜もイチャイチャはしたけど、最後まで出来なかったもんなぁ。 俺、普通にいっぱいして欲しいのに…… 「朝だけど、エッチしますか?」 俺が子供サイズだから遠慮してるだけなのかもしれないし、と誘ってみると、 「ッ…?!」 悠さんは顔を掌で覆い隠し、更に逸らしてしまった。 ……これって、まさか───! 今の俺は小さ過ぎて、色気も何も無いからヤル気になれないってことなんじゃあ……!!? 俺、あと何日この姿なんだろう? リンナさんはなんて言ってた? ……えぇと、2…3日? 2~3日ってことは、今日、明日が終われば元に戻れる? 今日が土曜だから、日曜、月曜………って!! イチャイチャの日は、次の日に仕事の無い金土の夜って決まってるんだよ!? 今日の夜逃したら、来週の金曜まで挿入無しってことになっちゃう! だって悠さん、俺の体気遣って、平日はほとんどしてくれないもん。 あーっもう!リンナさんのバカ!!どうせ飲ませるなら水曜辺りに飲ませろよ~っ!! ちょっと悲しくなって悠さんの首にぎゅって抱き付いて顔を埋めてると、不意にその身を剥がされ床に下ろされた。 「っ!……やだぁ、だっこぉ」 両手で思いっきり脚にしがみつくと、 「先に靴を履いたらな」 「えっ…?」 いつの間に玄関まで来ていたんだろう。 力が抜けた隙に逃げ出して靴を履いた悠さんが、小さな靴を持ち上げて俺の足に履かせようとしてくれる。 これも、昨日リンナさんがくれた子供サイズのスニーカーだ。 「履いたらだっこ?」 「ああ。だっこでコンビニに行こう」 「うん!コンビニいく~っ」 「その後は、夏木のお父さんが車で迎えに来てくれるから、それで夏木の家に行こうな」 「ゆーさんのくるまじゃないの?」 「ああ。大きな車に乗れるらしいぞ」 「おっきいの?こーんな?」 両手を広げて訊けば、悠さんも笑顔になって、 「もっと大きい。こーんなだ」 両手を広げて教えてくれた。 「すごい!おっきいのたのしいよね!じゃあ、早くコンビニいこう!」 「こら、皐月。コンビニに急いでも迎えの時間は早まらないぞ」 玄関ドアを開けて走りだそうとしたら、後ろから捕まえられてひょいと抱き上げられた。 もうっ、せっかく急いでたのに。 ぷぅ、とほっぺを膨らませれば、悠さんは笑ってほっぺにスリスリってしてくる。 「皐月、抱っこの約束は?悠さん、皐月のことを抱っこしたいな」 「ほんとに~?」 「ほんとに」 「……じゃあ、だっこでコンビニ行く」 すりすりをほっぺにお返しすると、悠さんはホッとしたように笑って、頭を優しく撫でてくれた。 昨夜よりずっと慣れた、そ~っとじゃない手つきで。

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