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最悪ノ出会イ 4

月人は店から続く自宅の横に設置された物置小屋の前で立ち止まった。 開きっぱなしの扉の向こうには主に段ボール箱が並んでいる。 「ごしゅーさまー」 上の方から甲高い声が降ってきた。 月人は物置小屋の中に入って段ボール箱から古本を取り出す。 「シロエ…お前三日も帰って来なかったな…」 古本を両手に抱えて外に出ては、物置小屋を見上げてそう溢した。 物置小屋の上に真っ白な猫が乗っていた。 紫色の首輪を付け、黄色い瞳でこちらを見ている。 「えー三日も?それヤバいっぽいー」 他人事のようにシロエは呟き、軽い身のこなしで月人の足元に降り立った。 君ね…、と怒りそうになったが例の呪文で落ち着きを取り戻す。 「で、こんなとこで何やってるんですー見た感じパシりっぽーい」 「パシりじゃない。 あいつがどーしても俺の力を借りたいって言うから貸してやっているだけだ。うん。」 自分で言って自分で頷く月人の二歩後ろをついて歩きながら、シロエは小さく笑うように鳴いた。 「へえーさすがごしゅーさまー」 全く心のこもっていなさそうな言葉が足元で聞こえた。 月人はため息を大袈裟に吐いた。 「ご主人様、だろ…」 猫だから舌が上手く回らないのかもしれないが なんとなく、御愁傷様、に聞こえるから言い直させたいのだが 未だにシロエが素晴らしい発音で、ご主人様!、と呼んでくれた事はない。

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