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最悪ノ出会イ 7

「どういうことだよ…」 皇に撫でられ喉を鳴らしているシロエに月人は肩を震わせた。 目は真っ赤に染まり、二人を睨んでいた。 「獣は正直な生き物だ。誰に従うべきか本能で判断してそれをあからさまに行動で示す。 責め立てる方が間違ってるよ。」 皇の微笑みはまるで聖母のように優しげで、女子高生やらが見たらコロッと惚れてしまいそうな光景だったが 月人は怒りしか感じなかった。 「へえーそうなんだあそいつあすごいなあ」 震える声に今までは心地良さそうに撫でられていたシロエがこちらを見て少々怯えたように目を細めた。 「怒らないでくださいようごしゅーさまー」 喉をごろごろと鳴らしながらシロエが呟いた。 「お前が一番ムカつくなあ…」 月人は引きつった笑みでシロエを睨む。 「大体なんで驚かねえんだよ!喋る猫だぞ! 普通ビビるだろ!ツイートするだろ!バズれよ!」 「ツイート…?なんの儀式だそりゃ」 皇はきょとんとしていたがその顔にも腹が立ってしまう。 「お前は、一体何者なんだ…!」 悲痛な声で月人は叫んだ。 皇はシロエを撫でながら、口の端で笑った。 「古本屋兼たばこ屋の仮店主…だけど」 「だからそうじゃなくって…!ああもう…」 月人は途端に熱くなってしまった自分に意気消沈し、 しおしおと項垂れてはため息を零した。 何をやってものらりくらりとかわされてしまう。 それを見て皇はくすくすと笑った。 「虫ケラにしては面白いなお前」 楽しそうに笑いながら、何かとんでも無い事を言われた気がして また叫ぼうとした瞬間、口に何かを突っ込まれた。 「ま、これからもお手伝いよろしく頼むよ。 吸血鬼くん?」 口に突っ込まれたのは煙草だった。 月人はその満面の笑みに頭に血が昇って血管が切れそうになりながら 頬を引きつらせて笑った。 「ええ喜んで…!」

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