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ホームレス美少年 4
ごちそーさまでした!、とシロエの元気な挨拶に合わせて皇も両手を合わせていた。
用意した食事はものの数分で空になり、
月人は煙草の煙を吐き出しながらも猫と魔女がちゃぶ台で和食を食す姿を眺めていたのであった。
「うん。美味かった。意外に」
「意外とは何だよ。当然だっつーの」
月人は悪態をつきながらも空の食器を重ねて片付け始める。
シロエは座布団の上に仰向けになっているので、食ってすぐ寝るのよしなさいと注意してやった。
そんな折視線を感じ月人は、なんか文句でもあんのかと皇を横目で睨んだ。
「...お前ってさ....、」
「あ?」
「....いや、なんでもねーわ」
「はぁ?なんだよ」
「言ったら怒るから黙っとく」
皇はそう言って何故かにやりと笑うと、月人の持っていた皿を奪って流し台に歩いて行った。
「あとやっとくから学校行っといでー」
黒髪がサラサラと揺れていて、そんなのを見つめながらも
予想できない行動に翻弄されているんだなと月人は思った。
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