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解放ト衝動 4

「屋根の上でお昼寝してたらこうなってたんですよう... ぼくだって意味わかんないんですから叫ばないでくださいい」 シロエと思しき大男は両手で顔を覆い隠して、みーと鳴いた。 「...なんなんだよ...俺は何を見せられているんだ...」 猫の姿だったら可愛いのかもしれないが今はただただ恐怖である。 「ごしゅーさまは?」 「...あいつなら、叫びながら出て行ったけど」 皇ははぁとため息をこぼしよろよろと廊下を歩き始めた。 とりあえず落ち着いて状況を整理したい。 一体何が起こっているというのか。 「...ん?待てよ」 ふ、と頭に浮かんだ疑問に皇は足を止めて振り返った。 巨大な大男になってしまった使い魔は狭い廊下に窮屈そうに立っている。 「お前はもともと猫だったわけじゃないんだよな?」 「はぁ...ぼくら使い魔は特定の実態があるわけではないんですう.. 猫なのはごしゅーさまの趣味というか魔力の表れというか.. 姿の特性は出ますけどねえ。 人の姿をしていた頃もありましたけど、こんなんじゃなかったですよう」 シロエの言葉を聞き、嫌な予感がした。 恐れていた事か起きたのかもしれない。 考えるより先に足が動いていた。 「皇さまぁ!」 「探してくる!留守番してろ!」 皇はそう叫び家を飛び出した。 あたりは暗く日が落ちつつあった。 落ち着いて状況を整理して、最善の策を。 それよりも今は、あの吸血鬼を...。 「...月人....っ!」

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