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魔女堕チノ時間 6
「..、はー..ッ、はァ...っ」
頭に血が上って自分の心臓の音に脅されて、呼吸がうまくできない。
皇は臆したように目を泳がせたが、何も言わずに横を向いた。
首筋を甘噛みし、乱暴に服を剥ぎ取って無理矢理足を開かせた。
ベッドに転がっていた瓶を手に取り中の液体を彼の身体にぶちまけた。
「つき...と....いた..い..」
掠れた声で皇が呟くが月人の耳には届かず、構うことなく足の間へと指を滑らせた。
しかし指は押し返され、拒絶する身体に内腿に噛み付きながら進もうとした。
「...い...、..っ」
心臓の音がうるさい。
目の前が真っ赤になっているようだった。
「...いてえつってんだろボケ!」
急に額に鈍い衝撃が走り月人は思わず飛び上がった。
どうやら皇のかかと落としらしき足技が決まったらしい。
涙目になりながら額を抑えると皇も目に涙を溜めこちらを睨んでいた。
「クソ童貞が!優しくしろっつったろ!」
皇に怒鳴られて、ようやく月人ははっとなり彼から目を逸らした。
また、"充てられた"。
皇と対峙していると度々自分が本能のまま動いて止められなくなってしまう。
それは魔女という存在のせいなのか、わからなかったが
多分、皇だからだ、という自覚もあった。
「..やっぱこういうこと、やめよう...」
月人は弱々しく呟いて彼の濡れそうな頬にそっと触れた。
自分のわがままで、自信のなさで
またこの魔女を追い込んでしまっている。
何かしてやりたいのに。
一人で戦わなくて済むようにしてやりたいのに。
「.....守ることは減らしていくことじゃない」
何かを捨てても守るべきものは、限られているはずだ。
そこに自分を含まなくたっていいのに
何でもかんでも拾おうとするから、こんな馬鹿げた事を。
月人は自分が泣いてしまっていることに気付いたが、それを拭う気力もなかった。
「...俺は別にお前を守ろうなんざ思ってねえよ
なんだかんだお前みたいなのは虫ケラ並みに図太く生きていけんだろうから
ただ、俺は....一人でもここが守れればよかったのに..お前のせいで.....」
皇は途中で言葉を切り、ぁあ、と脱力したように天井を仰いだ。
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