61 / 66

魔女堕チノ時間 7

「責任取らせようと思ったのに...ここで放置とかまじありえねえ」 呆れたようにほぼほぼ全裸で呟く男。 こういう時、意気地なしな自分をもっと責めればいいのに。 完璧を愛するがゆえにそうでないとひらすら落ち込んでしまう月人は どうすることも出来ずに皇を見下ろした。 その白い肌を見ていると、どうにも体が熱を持って まずいな、と思った。 今、単純に皇が欲しいだけかもしれない。 その事実は認められようもなく、月人は唇を噛み締めた。 「俺が魔女やめたいから協力しろって無理矢理すれば済むんだろ」 皇はそう呟いて自分の身体にぶちまけられた液体を指先で掬った。 とろとろと足の間に零しては、自らそこを解し始める姿に また頭に血が上りそうになって、月人は目を見張り彼の腕を掴んだ。 そうやって流されて来た代償なのかもしれない。 最初から、この国へ来た時から心を閉ざして順応したフリをして、傷付くことを恐れて何もしなかった。 完璧を演じて逃げていた。 守るものもわざと作ってこなかったのに、何を今更。 「.....お前を、手放したくないのは、俺だ」 もしかしたらそこに皇の心は関係ないのかもしれない。 それは吸血鬼の、捕食者の冷たい感覚で だけれど心ごと寄せる事ができたらと恥を忍んで思ったのは初めてだったし 皇は何も言わないから、否定はされなかったといくらか思い込める。

ともだちにシェアしよう!